最新記事

ミサイル実験

北朝鮮ICBM開発 射程圏入りの米ハワイとアラスカ、危機感高まる

2017年7月10日(月)18時08分

だが、最新のミサイル実験によって、公的な論調は決定的に変わった、とホノルルのシンクタンク「イースト・ウェスト・センター」の上席研究員デニー・ロイ氏は指摘する。

「画期的なのは、北朝鮮に米国本土を攻撃する能力があるとアメリカ人が信じているようだという点だ。今までは、全て机上の空論にすぎなかった」とロイ氏は言う。

アジア方面の米軍を統括する太平洋司令部を含め、ハワイ諸島には米軍の大きな戦力が集中しているため、ハワイ州民は、ここが格好の攻撃目標になりうることを理解している。

ハワイ島のカイルア・コナで小売店の店長を務める24歳のリース・ボーナムさんは、「まだ防空壕を作ってはいないが、もちろん警戒を怠るわけにはいかない」と語る。

ハワイ大学で経営学を専攻する21歳のカレン・マクヘールさんは、北朝鮮側の主張に疑問を抱いており、米軍の能力を信頼しているが、それでも、米国がどのように対応するか懸念している。「北朝鮮政府よりも、わが国の政権のほうが恐ろしい」

(翻訳:エァクレーレン)

Karin Stanton and Jill Burke

[カイルア・コナ(ハワイ州)/ウィロー(アラスカ州) 6日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米災害対応機関の廃止も、トランプ氏 手続き開始へ大

ワールド

サウジ閣僚、対米6000億ドル は投資と購買の総額

ワールド

ウクライナ、ロシアに夜間の大規模攻撃 南東部リャザ

ビジネス

米中古住宅販売、24年12月は2.2%増の424万
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄道網が次々と「再国有化」されている
  • 4
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 5
    電気ショックの餌食に...作戦拒否のロシア兵をテーザ…
  • 6
    早くも困難に直面...トランプ新大統領が就任初日に果…
  • 7
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 8
    「ホームレスになることが夢だった」日本人男性が、…
  • 9
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 10
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 7
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 8
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中