韓国スターバックス、日本を抜いて世界3位に浮上 「非武装地帯スタバ」「会長宅スタバ」など個性化路線で躍進
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「会長宅スタバ」と呼ばれる韓国のスターバックス奨忠ラウンジR店(筆者撮影)
<米中国に次ぐ世界第3位の店舗数へ成長した韓国スターバックス。ロッテとの立地争奪戦や米本社撤退の危機を乗り越え、飽和状態のカフェ市場を生き抜いた戦略とは>
韓国国内のスターバックスの店舗数が日本を抜いて世界3位に浮上した。2024年末時点の店舗数は米国が1万7049店で最も多く、次いで中国の7685店、韓国が2009店で続き、前年まで3位だった日本は1991店で4位となった。
韓国のコーヒー専門店は2022年時点で10万729店もあり、既に飽和状態と言われた16年の5万1551店から6年間で倍になった。韓国のカフェ文化を先導したスターバックスは駅前や繁華街に集中しており、友人同士が駅近くのスターバックスで待ち合わせる際、ごく近くに複数店があるため、互いに別店舗をぐるぐる探し回るといった笑い話も珍しくない。
韓国のスターバックス1号店は日本より3年遅い1999年に開店した。この時点では米スターバックス社と韓国小売最大手のイーマートが50%ずつ出資した合弁だった。
ちなみにイーマートは韓国最大の小売グループ「新世界グループ」のスーパー部門で、新世界グループは、1930年にソウル(当時の京城)に誕生した三越京城店を源流として発展した。1963年にサムスングループに買収された際に新世界百貨店と名称を変更、1993年には量販事業部を設置して大型スーパー「イーマート」1号店をソウル市北東部の道峰区(トボンく)にオープンしている。