イラン、高濃縮ウラン貯蔵量が急増=IAEA報告書
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国際原子力機関(IAEA)は、イランが2024年12月以降、濃縮度60%の高濃縮ウランの貯蔵量を約50%増やしているほか、未申告の施設でのウラン痕跡を巡る問題に進展がみられないとの認識を示した。2024年6月撮影(2025年 ロイター/Leonhard Foeger)
[ウィーン 26日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は、イランが2024年12月以降、濃縮度60%の高濃縮ウランの貯蔵量を約50%増やしているほか、未申告の施設でのウラン痕跡を巡る問題に進展がみられないとの認識を示した。26日に加盟国に送付された機密扱いの2つのイランに関する四半期報告書に記載されており、ロイターが内容を確認した。
報告書のいずれにも「イランによる高濃縮ウランの生産と備蓄の顕著な増加は深刻な懸念事項だ」との記載が含まれていた。
濃縮度を核兵器級の90%に接近する60%に高めたウランの備蓄は西側諸国にとって長年の懸念となっている。トランプ米政権はイランの核開発計画を巡って圧力をかける方針を示しているが、IAEAはイランに新たな制限を課すには時間切れが迫っていると指摘している。
報告書の一つによると、濃縮度60%のウランは過去3カ月で92.5キロ増え、274.8キロ。IAEAの基準によると、さらに濃縮すれば核爆弾6発分に相当する。
1人の高官によると、イランは濃縮度60%のウランを月6─9キロを生産してきたが、現在は35─40キロに加速している。
報告書によると、IAEAが長期にわたりイランに説明を求めているウランの痕跡に対する説明などの未解決の問題は進展していない。
「イランは必要とされる核物質や活動内容、場所を申告したと主張しているが、IAEAの評価と一致していない」とし、問題解決は手詰まりの状況だとした。
イランの核開発を巡っては、イランが制限する代わりに欧米が制裁を解除することで合意したが、第1次トランプ政権下の18年に米国が離脱。対抗措置としてイランが核開発を拡大し、機能不全に陥っている。
欧州諸国は米国に対して新たな制限の合意に協力するか、合意が25年10月に期限切れになる前に全ての制裁を課すことを求めている。
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