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ウクライナ紛争流血の8月へ向け、ロシア軍がウクライナ国境に集結
ウクライナ政府が掌握する東部アウディフカで機関銃を撃つ政府軍兵士 Oleksandr Klymenko-REUTERS
<ロシアは関与を認めないが、戦闘は激化している。ウクライナからの分離独立を目指す親ロ派のドンバス地方では、過去72時間で9人のウクライナ兵が死んだ。流血のピークは例年、8月と決まっている>
ウクライナとロシアの国境地帯で例年戦闘が最も激化する8月を控え、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域に軍隊を送り込んでいる、とウクライナ政府は警戒する。一方ロシアは、自国の軍隊を自国に配備するあらゆる権利があると、即座に反論した。
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2014年3月にロシアがウクライナのクリミア半島を併合して以降、両国の関係は著しく悪化した。これまでロシアは国境地帯の親ロシア派武装勢力を支援してきたが、ウクライナに対して宣戦布告はせず、戦闘への関与を否定し続けている。
ウクライナ軍の公式フェイスブックに投稿された軍会議の動画で、ビクトル・ムジェンコ軍参謀総長はロシア軍の国境地帯で新たな動きを確認した、と言った。
「国境に集結しているロシア軍の組織や職員の構成や、武器や装備を増強しつつある状況から判断して、彼らは攻撃部隊であり、急襲作戦に出る可能性がある」
ムジェンコが特定した部隊は、具体的に3個の自動車化狙撃師団を指す。そのうち2つは戦闘で荒廃したウクライナ東部ロシア国境でドネツク州とルガンスク州を含むドンバス地方に本部を置き、もう1師団ははるか北、ロシア西方の都市スモレンスク近郊に配備されている師団だ。
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停戦違反も8月が最多
ロシア軍はかねてから、戦闘が発生しそうになると親ロシア派武装勢力の支配地域付近やウクライナとの国境付近に兵力を結集させてきた。停戦監視団の記録でも、停戦違反が最も多いのが8月だ。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、ウクライナ国境での部隊増強について問われても、肯定も否定もしなかった。
「ロシアは自国領土での軍隊の配備を自由に変更できる」と、ペスコフは月曜にロシア国営のイタル・タス通信に語った。「具体的な事実関係の質問は、国防省の人に尋ねた方がいい」
ロシアはドンバス地方で親ロシア派武装勢力を支援していることを否定する。だが親ロシア派が3年にわたりヨーロッパ諸国を寄せ付けないほど強力な兵力を維持するうえで、武器や装備を一体どこから入手したのかという疑問には答えていない。
ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は月曜、ロシアやフランス、ドイツの首脳と相次いで電話会談を行い、ここ数日の戦闘は「今年に入って最も血なまぐさい」ものになっている、と警告した。
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ウクライナをめぐる交渉で米政府の新代表に任命されたカート・ボルカーは、米ラジオ局「ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)」の取材に対し、現地では激しい交戦が行われていると語り、ドンバス地方では過去72時間以内に少なくとも9人のウクライナ兵士が殺害されたと言った。
(翻訳:河原里香)