米FRB、「政治的独立」で信頼構築=フィラデルフィア連銀総裁

米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、政治的独立が、現在FRBが持つ最大の力の一つになっていると述べた。2023年、ジャクソンホールで撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は22日、米連邦準備理事会(FRB)が政治的に独立し、可能な限り客観的であろうとすることで長い時間をかけて築き上げてきた信頼が、現在FRBが持つ最大の力の一つになっているとの考えを示した。
トランプ米大統領は21日、金利が即座に引き下げられなければ米経済は減速する可能性があるとし、パウエル議長に対し早期利下げを改めて要求。17日には、パウエル氏は利下げを行わないことで「政治的な駆け引きをしている」と非難し、「私が彼を辞めさせたいと思えば、即座にそうできる」と述べていた。
こうした中、ハーカー氏はこの日の講演で金融政策に言及せず、「FRBが長い時間をかけて築いてきた信頼は、FRBにとって極めて貴重な資産になっている。われわれが行うこと、われわれが発信することは、その場しのぎのものではない」と指摘。こうした信頼は「政治的に独立し、可能な限り客観的であろうとすることで」長い時間をかけて構築されてきたと語った。
ハーカー氏はこれとは別に経済的流動性に関する論説で、実際の貧困レベルが過小評価されている可能性があると指摘。貧困ラインの2倍の収入がある家庭でも、経済的な困難に直面している可能性があるとし、「低所得世帯の経済的安定性を測定する従来の方法はもはや機能していない可能性がある」とした。