ジャーマンシェパード2頭に1頭が安楽死 見た目重視の交配の犠牲に
行き過ぎた品種改良で明らかにおかしい
各国においてイヌの品種認定や犬種標準の指定、血統書の発行などを行うケネルクラブ。世界の支部のなかでもイギリスの「ザ・ケネルクラブ」は1873年設立の最も歴史ある団体で、世界最大のドッグショー「Crufts (クラフツ)」を運営している。
2016年のクラフツで問題になったジャーマンシェパードがこの研究の発端だった。スコットランドのブリーダー、スーザン・カスバートとともに出場した3歳の「クルアヘア・カトーリア」は、「優れた」見た目で賞を獲得したが、歩く姿は放送中止になったのだ。
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カトーリアの歩き方は後ろ脚が前脚の動きに追い付かないような、なんとも不自然なもので、「とても健康的な歩き方とは思えない」という声が上がったからだ。
ザ・ケネルクラブはこの「不健全な動き」が世界中に放映され、非難を浴びることを恐れ、イギリスの公共テレビ局チャンネル4に放映されるのを意図的に阻止。事態が発覚した後に、カスバートは、英デイリーメールの取材に対し犬は健康体だと訴えた。
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自然な姿のほうが優れている
カスバートの一件を受け、英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、さまざまな健康問題を引き起こす可能性のある意図的に繁殖された動物の飼育を止めるために、イヌの審査制度を改革しなければならないとコメントを発表。
ザ・ケネルクラブは、自由に立つことができる、後ろ脚が地面に対し垂直など、クラフツで展示するイヌの基準を新たに示した。
専門家は簡潔に「人間が不自然な形状の犬を飼うのを止めればいい」と述べている。「優れた」見た目の犬を迎えたい飼い主の需要が無くなれば、不自然な交配も止まる。
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