中国産冷凍餃子に大異変 肉より野菜、そして健康重視へ
6月20日、中国の冷凍餃子メーカーは、売上げを伸ばす手軽な手段を発見しつつある。材料のうち、野菜の比率を上げて、肉を減らせばいいのだ。写真は2011年、北京の野菜市場で働く女性(2017年 ロイター/David Gray)
中国の冷凍餃子メーカーは、売上げを伸ばす手軽な手段を発見しつつある。材料のうち、野菜の比率を上げて、肉を減らせばいいのだ。
豚肉をたっぷり入れる伝統的な餃子と異なる新たな趣向は、多忙な若い都市生活者の人気を呼んだ。ファストフードに多く含まれる脂肪の摂取を減らそうと心がけているからだ。
「彼らは、1─2週間に1回程度は、もっと健康的な食事を取りたいと思っている。中国本土の消費者、特に20歳から25歳の世代では、これが大きなトレンドだ」と語るのは米食品大手ゼネラル・ミルズのマーケティング担当マネジャーとして上海で働くエリス・ワン氏。同社は、餃子の大手ブランドであるワンチャイ・フェリーを所有している。
これは中国内外の養豚事業者にとって、我慢できない厄介な傾向だ。生産者や市場専門家は、中国の豚肉需要は少なくとも2026年までは成長を続けると予想していた。
養豚農家のあいだで建設ブームが起きており、世界最大の豚肉市場である中国で、より大きなシェアを獲得するため、現代的な農場の建設が進めているところだった。海外の主要豚肉生産者も、中国の豚肉輸入基準を満たすよう、養豚の方法を変えつつあった。たとえば、中国で禁止されている成長ホルモンの投与を中止した生産者もいた。
中国は依然として、どの国よりも多くの肉を消費している。米農務省の試算によれば、同国民が今年食べる豚肉、牛肉、鶏肉は総計7400万トンで、米国の約2倍だ。その半分以上は豚肉であり、海外の生産者にとっては、特に欧米風の包装肉は大きな成長市場だった。
だが、大半の公式予測を大幅に前倒しして、豚肉需要は天井を打った。調査会社ユーロモニターのデータによれば、過去3年間、豚肉の販売量は低下している。昨年の販売量は、2014年の4249万トンに対し、4085万トンと、ここ3年で最低レベルに落ち込んだ。ユーロモニターは、2017年も微減すると予測している。
中国における食肉用ブタ価格は、公式統計によれば昨年に比べて供給が減少しているにもかかわらず、1月以来25%低下している。