ロシア疑惑、「裏切りの告発証言」引き出す腕利き検察官を抜擢
エンロン事件で被告側の弁護を担当したトム・カーケンダール氏は、司法省の捜査チームは証人を脅し、法を誤って解釈したと糾弾する。
一方、同捜査チームにいた元検察官サム・ビュエル氏は、そのような批判は大事件ではつきものだと一蹴する。
モラー特別検察官はほかにも、数人のベテラン弁護士を自身の捜査チームに加えている。そのなかにはマイケル・ドリーベン訟務副長官も含まれている。
一方、トランプ大統領側もニューヨーク市の弁護士、マーク・カソウィッツ氏を筆頭に弁護団を結成している。同弁護団にはワシントンのベテラン弁護士ジョン・ダウド氏も最近加わった。
ワイスマン氏はエンロン事件を担当する以前、ニューヨーク市ブルックリンの組織犯罪局の連邦検察官を務めていた。
同氏は1997年、パートナーのジョージ・スタンボウリディス氏と共に、米国で最も有力なマフィアのボスの1人であるビンセント・「チン」・ジガンテを、裏切り者の証人のおかげで、ついに有罪判決を受けさせることに成功した。
「われわれは組織犯罪で経験を積んだ」と、現在は弁護士事務所を開業しているスタンボウリディス氏は言う。「このような裁判で立証できる唯一の方法は、人々に協力させることだ。たとえ、当局に協力しないというマフィアの沈黙のおきてが固く、手ごわくてもだ」
(Karen Freifeld記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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