ロシア疑惑、「裏切りの告発証言」引き出す腕利き検察官を抜擢
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6月19日、モラー特別検察官のチームに抜擢されたベテラン連邦検察官、アンドリュー・ワイスマン氏(中央)は、昨年の米大統領選におけるトランプ陣営とロシアとの関係を探る「ロシアゲート」捜査において大いに役立つであろう能力で知られている。ヒューストンで2003年5月撮影(2017年 ロイター/Jeff Mitchell)
モラー特別検察官のチームに抜擢されたベテラン連邦検察官は、昨年の米大統領選におけるトランプ陣営とロシアとの関係を探る「ロシアゲート」捜査において大いに役立つであろう能力で知られている。
モラー特別検察官の捜査チームに先月参加したアンドリュー・ワイスマン氏は、友人や同僚、上司に背いて、証人になるよう説得する能力に長けているのだ。
それ以前は米司法省で刑事上の詐欺事件を担当する部署を率いていたワイスマン氏は、過去2つの任務で最もよく知られている。今はなき米エネルギー企業エンロンの不正会計事件と、ニューヨーク市ブルックリンの組織犯罪を巡る裁判における捜査だ。双方とも、証人の協力が大きな鍵となった。
多くが独自に雇った弁護士を抱えるトランプ大統領の側近から、協力を得ることは、先月17日に司法省によって任命されたモラー特別検察官にとって重要となる可能性がある。
モラー特別検察官は、特にトランプ大統領自身が司法妨害を行ったかどうかについて捜査している。トランプ大統領は、共謀、妨害いずれの嫌疑も否定している。
寝返って証人になることは、必ず成功するわけではないが、刑事訴追においてよくある戦術だ。
ビル・クリントン元大統領を捜査するケネス・スター独立検察官の後任を務めたロバート・レイ氏は、解任されたマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)がすでに弁護士を通して、自身の訴追免除と引き換えに議会での証言を申し出ていることは、証人として協力する意思を示すものとして注目している。
「手にしていないものを手に入れるため、どのような手段を持ち、適用し得るかについて、今こそ決断する時期のように私には思える」と、レイ氏はモラー特別検察官のチームについて、このように述べた。
トランプ大統領や、マイク・ペンス副大統領、そしてトランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問などの大統領側近はすでに自身の弁護士を雇い、拡大するモラー特別検察官による捜査と現在行われている議会による調査をうまく乗り切ろうとしている。