中国「工場汚染との闘い」は掛け声倒れ 失望する住民たち
河北省環境保護局は館陶化学工業団地に対する監視を強化すると約束したものの、地元住民によれば違反は続いているという。
たとえば、ロイターが閲覧した住民提供の文書によれば、昨年3月、Hebei Rongte Chemical Corpは、ベンゼン加熱用ガスケットの破断により有毒物質を含む蒸気が大気中に漏出したことについて、地元住民に対し「内部管理」の強化を約束した。ベンゼンには発ガン性物質として知られている。
ロイターがこの事故について問い合わせたところ、同社職員は電話を切ってしまった。
他のプラント操業について直接知る関係者によれば、未処理の排水が直接土壌に捨てられることは日常茶飯事だったという。「汚染水があまりにも多いので処理しきれなかった」。この関係者は、なぜ施設内の処理設備を使わなかったのかと問われてそう答えた。
化学工業団地の責任者とは連絡が取れなかった。
2014年後半には、いら立った村民たちが化学工業団地と地元の幹線道路を封鎖する事態に至っている。
封鎖を解除するため、化学プラント側が1日3元(約50円)の金銭補償を提示したが、実際の支払いはなかったとの主張があり、ロイターはこれを確認しようとしたが、関係者に連絡は取れなかった。
「補償金が得られるかどうかは重要ではない。プラントを閉鎖させることが肝心だ」と南寺頭の住民であるDingさん(46)は語った。
(翻訳:エァクレーレン)
[邯鄲(中国) 29日 ロイター]