最新記事

米大統領

トランプのツイッター、フォロワーの半分は偽物(フェイク)?

2017年6月1日(木)19時09分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

@realDonaldTrumpより

<謎の単語「covfefe」をツイートして世間を騒がせたトランプだが、その3000万フォロワーの約半数が偽アカウント(ボット)ではないかとの指摘が挙がっている>

ドナルド・トランプ米大統領は、世界で最もツイッターをうまく使っている政治指導者だ。この点はトランプ支持者も反対派も意見が一致するだろう。

5月31日未明には、この世に存在しない謎の単語をツイートし、ネットが騒然となった。ツイートの文面は「Despite the constant negative press covfef」(絶え間ない否定的なメディアのcovfefeにもかかわらず)。この「covfefe」は何かの略語なのか、意味のある暗号なのか、それとも単なるタイプミスか――。世界中で憶測やジョーク、辛辣な皮肉が飛び交う羽目になった。

nc170601-1.png

このツイートは既に削除されている。その後トランプは「Who can figure out the true meaning of "covfefe" ??? Enjoy!」(誰がcovfefeの本当の意味を突きとめられるかな。楽しんで!)とツイートした

これだけ話題になる理由の一端は、やはりそのフォロワー数にある。トランプにはプライベートな @realDonaldTrump というアカウントと、米大統領としての @POTUS というアカントがあるが、前者はフォロワー数3106万強、後者は 1821万強と驚異的な数だ(日本時間2017年6月1日15時現在)。

主要メディアを「フェイクニュース」と敵視するトランプにとって、ツイッターは大きな武器となってきた(ニューズウィーク日本版は1月31日号でトランプの「ツイッター政治」を取り上げた特集を組んでいる)。しかし、そのフォロワー数がもしも、フェイク(偽物)で水増しされているとしたら?

脚本家のジョン・ニーブンが30日、トランプのツイッター(@realDonaldTrump)フォロワーが週末の間に突然「300万人」増えており、不自然だと指摘した。フォロワーの一覧を見てみると、確かにツイート数0回で、写真もプロフィールもないアカウントが5月に急増していることがわかる。

急増したのは偽アカウント、生身の人間でない「ボット」ではないか、というわけだ。米ニューズウィークの30日の記事によれば、ツイッターフォロワーの信憑性を調べるTwitter Auditで調査したところ、トランプのフォロワーのうち本物は51%だけだったという(ただし、日本時間6月1日15時に改めて調べると、本物の比率はなぜか62%に上がっていた)。

トランプのフォロワーに偽アカウントが多数含まれているのではないかという指摘は、今回が初めてではない。1月にジャーナリストのヤシャル・アリが調べた際、約2000万(当時)のフォロワーのうち本物は68%だった。

共和党の主要大統領候補に目され始めていた2016年4月、著名なデータサイエンティストのネイト・シルバーはブログFiveThirtyEightで、トランプの約800万(当時)のフォロワーのうち偽アカウントは8%だと書いている。その頃と比べて偽アカウントの比率が格段に高まっているが、実はシルバーの記事の趣旨は「誰もがフェイクのフォロワーを持っているが、トランプが一番多い」というものだった。

さて問題は、なぜトランプのフォロワーにこれほど「フェイク(偽物)」が多いのかということだ。

【参考記事】トランプの「嘘」まとめ(就任式、対日要求ほか)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中