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イギリス政治英メイ首相、地域政党と協議継続 保守党はEU離脱穏健派が台頭
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6月14日、メイ英首相(写真)率いる保守党は、政権維持のため北アイルランドの地域政党、民主統一党(DU
メイ英首相率いる保守党は14日、政権維持のため北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)と閣外協力を巡り協議を続けた。一方、保守党内では欧州連合(EU)との正式な離脱交渉を前に、メイ氏の強硬離脱方針について軌道修正を求める声が上がっている。
保守党は先週の総選挙で過半数割れに陥ったことから、政権崩壊を回避するために10議席を持つDUPの協力を取り付け、議会で法案の可決に必要な326票を確保する必要がある。
メイ氏はこの日、DUPとの協議が続いていると明らかにしたが、ロンドンでの高層マンション火災への対応を優先しているとも述べた。
DUPとの合意は近いとみられるが、メイ氏の党内求心力は弱まっており、同氏のEU離脱方針に疑問の声が上がっている。2人の首相経験者は穏健路線への修正を求めている。
また、英紙タイムズによると、ハモンド財務相は、離脱交渉で英国がEU関税同盟にとどまることを主張する見通し。
ただ、新たにEU離脱担当副大臣に任命されたスティーブ・ベーカー氏はロイターに対し、「修正は見込んでいない」と述べた。
一部の保守党員は企業団体とすべての政党の議員が国家としてのEU離脱方針で合意することを提案している。
それでもなお、保守党議員や党員の多くは依然として強硬離脱に賛成。メイ氏が方針を変更する兆しはこれまでのところないが、同氏はこれまで、党内で幅広い合意を目指すと表明している。
一方、英国との関係を重視する「ユニオニスト」のDUPが政権への影響力を強めれば、英政府の北アイルランド和平の仲介者としての機能が損なわれる可能性があり、アイルランド共和国との統合を望む「ナショナリスト」であるシン・フェイン党から懸念の声が上がっている。
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