内向型人間がいないと多くのプロジェクトは成立しない
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<内向型人間はチームワークが苦手? 確かに「静かな」彼らは職場で過小評価されがちだが、内向型人間がいなければ多くの仕事は回らない>
世の中には、内向型人間と外向型人間がいる。おおざっぱに言えば、人付き合いが苦手な人と、人と関わるのが好きな人だ。
コミュニケーションコーチのシルビア・レーケンは、内向型人間が仕事やプライベートで自己実現するための方法を指南している。彼女自身、内向型であり、『内向型人間のための人生戦略大全』(岡本朋子訳、CCCメディアハウス)という本の著者だ。
本書から抜粋し、5回に分けて転載するシリーズ。この第4回では「第5章 職場でのふるまい方」から一部を抜粋する。
内向型人間はひとりで仕事をしたり、考えたりするのが好きだが、人と関わらない仕事などほとんどない。「内向型はチームワークが苦手」という考えは果たして正しいのだろうか。
※第1回:1人の時間が必要な内向型、人と会って元気になる外向型
※第2回:ネガティブになりがちな内向型人間にも、10の強みがある
※第3回:内向型人間が自覚すべき、ストレスを感じる10のポイント
ホルガー(27歳)は大手製薬会社の企画部門の社員です。同僚のボリスと同じ部屋で働いています。「内向型人間」なので静かなところでないと長時間集中して仕事に取り組むことができません。
ホルガーには1つだけ我慢できないことがあります。それはボリスに集中力がないことです。30分も集中していられません。椅子に座って15分もすると電話をしはじめたり、立ち上がったりします。その都度、理由をホルガーに説明します。ホルガーはボリスにとって唯一の話し相手だからです。ボリスは何かあると必ずホルガーに相談します。誰かに話すと問題を解決しやすいと言うのです。ホルガーはボリスが何か話してくるたびに仕事の手を止めなくてはなりません。一度仕事の手を止めると、再び集中するまでに時間がかかります。ですからホルガーはボリスの態度にたびたびイライラさせられ、腹を立てていました。ボリスはホルガーの怒りに気づいていないのでしょうか? そんなことはありません。ホルガーが勇気を出して「もう少し静かに仕事をしてほしい」と言うと、ボリスもしばらくは反省し、静かになります。でもすぐにまた元の状態に戻ってしまうのです。
同僚を自分で選ぶことはできない
一緒に働く人間を自分で選べることはほとんどありません。同僚や顧客や上司はそれぞれ異なる特性や目標や気持ちや興味をもっています。そういった状況は、他人から邪魔をされるのが嫌いな「内向型人間」にとって耐え難いかもしれません。ですが「内向型人間」がみんなホルガーと同じように超「外向型人間」と仕事をするわけではないので、安心してください!
どんな分野でも成功する「内向型人間」
「内向型人間」は少数派ではありません! 経営管理者、校正者、研究者、ITの専門家だけが「内向型人間」ではないのです。「内向型人間」はどんな分野にもいます。「内向型人間」は「外向型人間」同様、自らの強みをビジネスに活かして成功しています。いくつかの分野では「内向型人間」のほうが成功しているくらいです。デジタル革命やソーシャルネットワーク革命は、辛抱強く1つのことに取り組む「内向型のマニア」がいなければ起こらなかったはずです(でも「内向型人間」がいなければ、ハッカーもいないかもしれませんが......)。