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テロ対策米大統領が中東外遊、イスラム圏指導者に過激派掃討へ結束訴え
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5月21日、トランプ米大統領(写真前列中央)は、訪問先のサウジアラビアでイスラム圏数十カ国の指導者を前に演説し、「テロリストや過激派の掃討」に向けて結束し、それぞれの役割を果たすよう呼び掛けた。リヤドで撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
トランプ米大統領は21日、訪問先のサウジアラビアでイスラム圏数十カ国の指導者を前に演説し、「テロリストや過激派の掃討」に向けて結束し、それぞれの役割を果たすよう呼び掛けた。
大統領は「あなたがたの国がテロリストや過激派を掃討すれば、より良い将来が訪れるだろう。彼らをあなたがたの信仰の地、地域社会から掃討してほしい」と語った。
トランプ大統領は今回、大統領選挙中に繰り返したイスラム教徒に対する攻撃的な発言は封印し、中東政策でより穏やかな路線に転換する兆しを見せた。
大統領は米国政府が中東諸国と協力する方針であることを強調するとともに、中東諸国に対してはイスラム過激派やテロの脅威との戦いでさらなる役割を果たすよう求めた。
一方、大統領は演説で、武装組織を資金面などで支援する国としてイランを名指しし、サウジアラビアと同様の見解を示すことで、大統領選でロウハニ大統領の続投が決まったばかりのイランに厳しいメッセージを送った。
大統領は「イランは数十年にわたり、宗派対立とテロを激化させてきた。イラン政府は大量殺りくを公言し、イスラエルの破壊、米国の死、ここにいる多くのイスラム圏指導者とその国の破滅を宣言している」と述べ、イランを強く批判した。
サウジのサルマン国王はトランプ大統領を紹介する際、イランはテロリズムの根源であり、米国との共通の敵だと発言。「われわれは過激派勢力との戦いで結束する責任がある。イランの政権は世界的なテロリズムの急先鋒だ」と語った。
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