最新記事

ビジネス

いまなぜ「国産」? オーダースーツが人気のメンズファッション

2017年4月28日(金)15時02分
海老原光宏 ※Pen Onlineより転載

「HANABISHI 銀座店」

いま、国内ファッション市場は不調と言えます。三陽商会やワールドなどの大手アパレルのリストラや、三越伊勢丹、西武・そごうなど百貨店の店舗閉鎖など日々暗いニュースを目にし、直近の報道媒体でも、経済誌『日経ビジネス』では「買いたい服がない」(2016年10月3日号)、ファッション週刊紙『WWD JAPAN』では「ファッションは本当にオワコンか」(2017年1月9日号)といった、キャッチーなタイトルの悲惨な特集が組まれています。日本のファッション消費が転換点を迎えているのは間違いありません。

【参考記事】森岡書店店主・森岡督行さんが案内する、もうひとつの銀座。

しかしそんな中でも沸々とたぎっている分野があります。それがメンズファッションです。もともと日本のメンズデザイナーズブランドの評価が世界的に高いのはご存じでしょう。けれども今回はモードの世界の話ではありません。コンサバティブなビジネススーツの領域です。では、それがいま受けている理由とは何でしょうか?

老舗オーダースーツが銀座に進出

ラグジュアリーブランドや老舗テーラーが軒を連ねる銀座に3月16日、イージーオーダースーツブランドの旗艦店がオープンしました。埼玉に本社を構える花菱縫製の「HANABISHI 銀座店」です。同社は1935年創業のオーダースーツ事業をメインに据えた老舗アパレル企業。国内5か所の自社工場をもち、今まで培ってきたノウハウによって、職人の手仕事とマシンメイドのハイブリッドでスーツを日々生産しています。ブランドサイトで発信しているメイキング動画は洋服好きなら思わず見入ってしまうもの。


(花菱によるオーダースーツのメイキングムービー)

既存のHANABISHIショップは北海道から東海にかけて18店舗を展開。19店舗目となる銀座の旗艦店は2層にわたり、1階にはフラッグシップならではの買い付けブランドが並びます。セレクトされているシューズの「Mark Boots」やジーンズの「Betty Smith」はオーダー専門で、価格はそれぞれ¥65,000〜、¥31,000〜。こうしたアイテムをスーツに合わせて購入するのもHANABISHI銀座店らしい楽しみ方でしょう。そのほか、バッグの「Kiefer neu」、ネクタイ・チーフの「Franco Bassi」、カフス・タイバーの「ELIZABETH PARKER」などドレスアイテムも揃っています。

【参考記事】ソニーがプロデュースするユニークなインテリアショップ「Life Space Collection」が、期間限定でオープン!


hanabishi_VVaHmGA.jpg

「HANABISHI 銀座店」の1階内観。買い付けられたアイテムが並んでいます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中