北朝鮮の高麗航空、制裁強化へ対応で国内事業を多角化
高麗航空で現在稼働している機体は、ロシア製かウクライナ製の15機で、中国とロシアの給油・整備・修理施設を利用している、と航空関係のデータベースと国連の資料は示している。
昨年入手した運航スケジュールによれば、高麗航空は、平壌と、オラン(漁郎)、ソンドク(宣徳)、サムジヨン(三池淵)を結ぶ多数の国内便を運航している。
秘密主義的な北朝鮮では、企業が収益やコストに関する情報を公開していないため、実施された制裁がこれまでに与えた、あるいは将来的に与える影響を見極めることは不可能である。
だが北朝鮮を訪問した人々によれば、同国の空軍が保有している高麗航空グループは、明らかに事業を拡大しているという。
<タクシーもガソリンスタンドも>
2015年、高麗航空グループは独自のタクシー部門を立ち上げた。平壌市内では、他の国営企業少なくとも8社が運営するタクシーに混ざって、高麗航空のスカイブルーの車両も走り回っている。
平壌各地の店舗では、高麗航空ブランドのコーラ飲料やたばこも販売されている。
高麗航空は昨年後半にソフトドリンク部門に進出した、と北朝鮮への旅行を催行する北京の旅行代理店コリョ・ツアーズのサイモン・コッカレル氏は語る。
1月にはガソリン小売に参入した。「ピョンヤン市内に少なくとも1カ所、恐らく2カ所のガソリンスタンドを保有している」とコッカレル氏は言う。「そう遠くないうちに、他にももっと高麗航空ブランドの商品が売り出されても驚かない」
対北朝鮮制裁に関する違反行為を調査している国連委員会は、2月の報告書のなかで、高麗航空と人民軍空軍のあいだには「境界が存在しない」と述べている。