北朝鮮の高麗航空、制裁強化へ対応で国内事業を多角化
「この航空会社の資産は軍事目的で活発に利用されている」と報告書は述べている。
「外見は民間航空会社のようだが、実質的には政府によって運営されている」と語るのは、韓国の東国大学校で北朝鮮研究を専門とするキム・ヨンヒュン教授。
国連は高麗航空に対する制裁を実施していないが、禁輸対象商品の密輸への関与を非難している。民間航空機が国外で給油を受ける場合は、北朝鮮に対するジェット燃料の輸出を禁じた国連制裁の対象外となる。国連加盟国は北朝鮮から発送された貨物を検査することを義務づけられており、高麗航空のフライトもその例外ではない。
12月、米国は高麗航空、同社の保有する航空機16機、事務所10カ所を「制裁対象」に指定した。米国市民がこれら実体と取引を行うことが基本的には禁止される。ただし、この禁止措置が、米国民が観光のために同社の航空機に乗ることにまで適用されるかどうかは明示されなかった。
平壌空港の当局者は、国際社会が高麗航空を直接対象とした制裁を強化しようと試みることについては心配していないと話している。
高麗航空の搭乗手続カウンターに立つ税関職員は、「恐れることはない。独自の対抗手段は用意している」と言うが、その詳細には触れなかった。
前出のキム教授は、高麗航空に対する制裁が実施されるとしても、もっぱら象徴的な効果に留まるだろうと話している。
「北朝鮮経済に大きな打撃を与えることはないだろう」とキム教授は韓国語で語った。「高麗航空は(多くの外貨を稼ぐ)『ドル箱』にはなっていない」
(翻訳:エァクレーレン)
[平壌/ソウル 20日 ロイター]