最新記事

アメリカ政治

トランプのシリア攻撃は長女イバンカの「泣き落とし」のため?

2017年4月12日(水)17時55分

トランプ政権で存在感を高める長女イバンカと夫クシュナー Carlos Barria-REUTERS

<シリア攻撃を決定付けたのはイバンカの一言だった? トランプ米大統領とイバンカの間で交わされたであろうやりとりを実弟が明かした......>

ドナルド・トランプ米大統領が4月6日にシリアへのミサイル攻撃に踏み切った背景には、長女イバンカの影響があった。イバンカの実弟エリック・トランプが英テレグラフ紙に語った。

エリックによれば、シリア北部イドリブ県でシリア軍が化学兵器を使ったとされる攻撃に対するイバンカの「悲しみと怒り」が、トランプの武力行使を後押ししたという。

【参考記事】米軍シリア空爆は、イスラム社会の反米感情を煽るだけ

エリックは言う。「イバンカは3人の子供を持つ母親で、大きな影響力を持っている。彼女はきっと『聞いて、こんなのひどすぎる』という具合に言ったと思う。父(トランプ)は、そういう時には動く人だ」

「父は2年前にはシリアとは一切関係したがらなかった。だがアサド政権が自国の女性や子供を毒ガスで襲撃し、ある時点で、アメリカは世界のリーダーとして行動を取る必要があった。そうしたのは、素晴らしいことだと思う」

トランプ大統領は、シリアの空軍基地に向け59発のトマホーク巡航ミサイル発射を命じ、その2日前のシリア軍による化学兵器使用で「多くが長い時間苦しんで死んだ」と指摘した。

夫クシュナーも政権インサイダー

イバンカはミサイル発射の後ツイッタ―にこんな投稿をした。「非人道的な恐ろしい犯罪行為を見過ごさなかった父を誇りに思う」と。

イバンカは、トランプ政権の中でますます存在感を高めている。今では無報酬ながら大統領の顧問としてホワイトハウスのウェストウィングに専用の執務室を持つ。

【参考記事】イバンカ政権入りでホワイトハウスがトランプ家に乗っ取られる

イバンカの夫で大統領上級顧問を務めるジャレッド・クシュナーも、トランプが最も信頼を寄せる顧問の1人。大統領直属の「アメリカン・イノベーション・オフィス」責任者のほか、中東和平の仲介役も担う。メキシコやカナダとの外交関係のアドバイスもクシュナーの仕事に含まれる。

【参考記事】トランプの娘婿クシュナーが大統領上級顧問になる悪夢

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中