アングル:フランシスコ教皇が死去、葬儀日程や後継者選出の秘密投票「コンクラーベ」とは

ローマカトリック教会のファレル枢機卿は4月21日、教皇フランシスコ(写真)が88歳で死去したと発表した。今後、どのような手続きや儀式を経て新たな教皇が決まるのかをまとめた。写真は2014年1月、バチカンのサンピエトロ大聖堂でエピファニー(公現祭)のミサを執り行う教皇(2025年 ロイター/Max Rossi)
Crispian Balmer Joshua McElwee
[バチカン市 21日 ロイター] - ローマカトリック教会のファレル枢機卿は21日、教皇フランシスコが88歳で死去したと発表した。今後、どのような手続きや儀式を経て新たな教皇が決まるのかをまとめた。
<葬儀>
教皇のひつぎはサンピエトロ大聖堂に移され、一般からの弔問を受け付ける。
時期は上級枢機卿(カメルレンゴ)であるファレル氏と3人の補佐枢機卿が決定する。教皇が身につけていた権威の象徴である「漁師の指輪」と、書簡に捺印するために使われていた鉛の印は、他者に使用されないよう破棄される。検視は行われない。
追悼の期間は9日続き、葬儀と埋葬の日程は枢機卿らが決定する。
葬儀は通常、死去から4―6日後にサンピエトロ広場で行われる。ただ21日に公表された遺言では教皇が、サンピエトロ大聖堂ではなく、ローマのサンタマリアマッジョーレ大聖堂への埋葬を希望していたことが分かっている。簡素な木製のひつぎに埋葬されることを望んでいたという。
教皇の空位期間は枢機卿らが日常業務を監督する。ただ権限は限られており、教会運営の大部分は機能停止に陥る。
<コンクラーベ>
新たな教皇を決める選挙(コンクラーベ)は、教皇の死後15─20日の間にバチカンのシスティーナ礼拝堂で行われる。正確な開始日は枢機卿ら自身が決定。期間中はバチカン内に隔離され、秘密投票が行われる。
80歳未満の枢機卿は全員、投票に参加できる。新たな教皇に選ばれるには3分の2以上の得票が必要となるため、投票は数日間にわたり複数回行われる場合がある。
選ばれた枢機卿は、教皇への選出を受諾するかどうか、受諾した場合どのような称号を選ぶかを尋ねられる。
<新教皇誕生の発表>
教皇が選ばれた場合は、特殊な薬品で投票用紙を燃やし、礼拝堂の煙突から白い煙を上げることで発表する。投票結果が確定していない場合は別の薬品を使い、黒い煙を発生させる。
枢機卿団の首席枢機卿がサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーに上がり、「ハベムス・パパム」(ラテン語で「教皇が誕生した」の意)と宣言する。
その後、新教皇が広場に集まった群衆に祝福を与える。