ニュース速報
ワールド

アングル:フランシスコ教皇が死去、葬儀日程や後継者選出の秘密投票「コンクラーベ」とは

2025年04月22日(火)12時35分

ローマカトリック教会のファレル枢機卿は4月21日、教皇フランシスコ(写真)が88歳で死去したと発表した。今後、どのような手続きや儀式を経て新たな教皇が決まるのかをまとめた。写真は2014年1月、バチカンのサンピエトロ大聖堂でエピファニー(公現祭)のミサを執り行う教皇(2025年 ロイター/Max Rossi)

Crispian Balmer Joshua McElwee

[バチカン市 21日 ロイター] - ローマカトリック教会のファレル枢機卿は21日、教皇フランシスコが88歳で死去したと発表した。今後、どのような手続きや儀式を経て新たな教皇が決まるのかをまとめた。

<葬儀>

教皇のひつぎはサンピエトロ大聖堂に移され、一般からの弔問を受け付ける。

時期は上級枢機卿(カメルレンゴ)であるファレル氏と3人の補佐枢機卿が決定する。教皇が身につけていた権威の象徴である「漁師の指輪」と、書簡に捺印するために使われていた鉛の印は、他者に使用されないよう破棄される。検視は行われない。

追悼の期間は9日続き、葬儀と埋葬の日程は枢機卿らが決定する。

葬儀は通常、死去から4―6日後にサンピエトロ広場で行われる。ただ21日に公表された遺言では教皇が、サンピエトロ大聖堂ではなく、ローマのサンタマリアマッジョーレ大聖堂への埋葬を希望していたことが分かっている。簡素な木製のひつぎに埋葬されることを望んでいたという。

教皇の空位期間は枢機卿らが日常業務を監督する。ただ権限は限られており、教会運営の大部分は機能停止に陥る。

<コンクラーベ>

新たな教皇を決める選挙(コンクラーベ)は、教皇の死後15─20日の間にバチカンのシスティーナ礼拝堂で行われる。正確な開始日は枢機卿ら自身が決定。期間中はバチカン内に隔離され、秘密投票が行われる。

80歳未満の枢機卿は全員、投票に参加できる。新たな教皇に選ばれるには3分の2以上の得票が必要となるため、投票は数日間にわたり複数回行われる場合がある。

選ばれた枢機卿は、教皇への選出を受諾するかどうか、受諾した場合どのような称号を選ぶかを尋ねられる。

<新教皇誕生の発表>

教皇が選ばれた場合は、特殊な薬品で投票用紙を燃やし、礼拝堂の煙突から白い煙を上げることで発表する。投票結果が確定していない場合は別の薬品を使い、黒い煙を発生させる。

枢機卿団の首席枢機卿がサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーに上がり、「ハベムス・パパム」(ラテン語で「教皇が誕生した」の意)と宣言する。

その後、新教皇が広場に集まった群衆に祝福を与える。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ産業景況感、3月は3カ月ぶり低下 米関税など懸

ワールド

米側要求、聞けるものは聞いたらよい=関税交渉巡り自

ビジネス

ドル一時139円台へ下落、7カ月ぶり安値 対円以外

ビジネス

基調的インフレ指標、3月は最頻値が+1.4% 半年
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 7
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中