最新記事

映画

20年目に大復活した『トレインスポッティング』

2017年4月12日(水)11時10分
ジューン・トーマス

この続編で最も不満なのは、女性の扱いだ。中年になった彼女たちには、男たちのような「生きる喜び」が感じられない。少年のように振る舞う男性陣はいつまでも若いのに、レントンの元彼女ダイアン(ケリー・マクドナルド)やベグビーの妻ジューン、ゲイルにその選択肢はない。女たちは、狂暴な男たちや絶望的な麻薬常用者との腐れ縁に疲れ果てている。

私のように『トレインスポッティング』のキャストと同年代の観客は、続編で強烈なノスタルジアに襲われるだろう。スパッドのヘロイン依存が書くことへの情熱にすり替わったときに、それが明らかになる。彼がノートに走り書きする若い日の記憶には、ベグビーの野蛮な心も静める力がある。

プロットの巧みなひねりによって、クライマックスは盛り上がる。だが私は人間関係のドラマのほうに興味を抱いた。波乱に満ちた友情関係を自ら体験した者にとって、『T2』の旅は前作の若々しい高揚感よりはるかに強烈だ。

≪映画情報≫
T2 TRAINSPOTTING
『T2 トレインスポッティング』

―――――
監督/ダニー・ボイル
主演/ユアン・マクレガー
   ジョニー・リー・ミラー
日本公開は4月8日

© 2017, Slate

[2017年4月11日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国大統領罷免、60日以内に選挙 尹氏「申し訳ない

ビジネス

日経平均は大幅続落、8カ月ぶり3万4000円割れ 

ビジネス

日産、関税で米減産計画を一部撤回 メキシコ産高級車

ワールド

米ブラウン大の政府助成金凍結、ハーバード大も制限 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 2
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 6
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 7
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 8
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 9
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中