韓国THAAD配備に反発、中国が韓国旅行商品の販売停止へ
聯合ニュースによれば、韓国政府は中国による今回の韓国行きの旅行商品販売中止措置について正確な内容を把握する作業に入ったという。だが、中国政府が公式な文書ではなく、あくまで口頭による指示を出しているため、韓国政府が外交ルートを通じて問題を取り上げても、中国側が否定するのではないかという見方も出ている。
韓国外交部は3日、中国が韓国旅行商品の販売を禁止したという報道について、「もし事実ならば、特定の事案とは無関係な通常の人的交流まで制限する不合理な措置として非常に残念に思っている」と明らかにした。
THAAD配備予定地を提供したロッテも標的に
一方で、今回THAADが韓国ロッテグループの所有していた土地に配備されることから、韓国で最大規模の免税店を展開するロッテに対する中国側の反発も強くなっている。
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ロッテ免税店のサイトは2日午後、ハッカーによる攻撃を受けて3時間に渡ってダウンした。短時間にアクセスを集中させてサーバーをダウンさせるDDos攻撃を受けたものと見られている。ロッテのサイバーセキュリティ担当者は、中国からの攻撃だったと解析している。この免税品販売サイトは、1日に約350万ドルの売り上げがあると、ロッテ側は説明している。
また、昨年のソウル市内のロッテ免税店の売上のうち、実に8割が中国人観光客によるものだ。聯合ニュースによれば、ソウルの小公洞にあるロッテ免税店本店は、昨年3兆1600億ウォン(=3,150億円)の売上のうち、2兆6000億ウォン(=2,600億円)が中国人観光客による買い物で、今回の中国による韓国旅行商品の販売停止は、ロッテ免税店全体で年間売上の3割以上が消える可能性があるという。
今年、国交25周年を迎える韓国と中国だが、THAAD配備に向けた動きが本格化するにつれ、両国関係は今後急速に悪化していく恐れが出てきた。