「命令される側になりたい...」女性CEO×年下男性のSM欲、映画『ベイビーガール』の「普通じゃないセックス」
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ロミーは愛情深い夫がいながら、サミュエル(写真右)との性的ロールプレイにはまっていく ©2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
<夫が寝た後にハードなSMポルノを見て──危険なゲームに身を投じるニコール・キッドマン演じるが描く「恥の感覚」(レビュー)>
オランダ出身の映画監督、ハリナ・ライン(Halina Reijn)の3作目の長編作品『ベイビーガール(Babygirl)』の主人公は、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)扮する物流自動化企業CEO、ロミー・マシスだ。
ロミーの会社は業界に先駆けてロボット工学を導入しているが、彼女自身の家庭生活もどこかロボットめいている。
ロミーは仕事中心の毎日で、舞台演出家の愛情深い夫ジェイコブ(アントニオ・バンデラス、Antonio Banderas)と10代の娘2人がいる。プロが撮影する家族写真用にポーズを取る姿は、シックな女性を絵に描いたようだ。
物語は夫妻のセックスで幕を開ける。情熱的で充実しているように見えるが、夫が眠った途端、ロミーは別の部屋でBDSM(ボンデージ、調教、SM)系のポルノ動画を見ながらマスターベーションをする。
このファッション誌の表紙を飾りそうな「ガールボス」の人生に、重要な何かが欠けているのは明らかだ。
ある日、ロミーはマンハッタンのオフィスへ行く途中、暴れる犬を動じることなく手なずける青年を見かける。彼はロミーの会社にやって来たインターンの1人、20代のサミュエル(ハリス・ディキンソン、Harris Dickinson)だった。
サミュエルは早速、会社のサステナビリティー方針について問いただし、ロミーを当惑させる。
自分は人材育成プログラムに携わっていないと指摘するロミーを無視して、サミュエルは彼女をメンターに希望すると言い張る。2人の初めてのミーティングで、職業上の権力行使について話すロミーに、サミュエルはずばりと言う。「あなたは命令される側になりたいのでは」