最新記事

北朝鮮

金正男の遺体は北朝鮮へ マレーシア大使館員も平壌から帰国

2017年3月30日(木)23時13分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

金正男は暗殺事件から1カ月半後、再びクアラルンプール空港に戻ってきた FUJITV/via Reuters TV

<金正男暗殺事件はついに真相究明が果たされることなく事件の幕が引かれることになった。30日夜クアラルンプール空港から金正男の遺体と、容疑者とみられる北朝鮮人2人が北朝鮮に向けて出発。また両国が相互に出していた相手国民の出国禁止が解除された>

マレーシアのナジブ首相は30日夜、声明を発表し「金正男の解剖作業が終わり、その遺族が遺体を北朝鮮に返して欲しいと要請する書簡を送ってきたため、それに応じて遺体を北朝鮮に移送することを承認した」と明らかにした。この「遺族」とは暗殺された正男の異母兄の金正恩北朝鮮労働党書記のことだと思われる。

韓国メディアNEWS1などによるとナジブ首相は、北朝鮮による出国禁止措置により事実上拘束状態に置かれていたマレーシア大使館員とその家族ら9人が、この日の午後7時45分に平壌を離れ、翌日午前5時にはクアラルンプール空港に到着する予定とも述べた。同時にマレーシアに滞在していた全ての北朝鮮の国民もマレーシアからの出国を認めることも発表した。

ナジブ首相は「外務省など北朝鮮との交渉にあたってきたすべてのマレーシア当局者に感謝している。マレーシアの国民の帰国を支援するために多くの課題があったが、わが国の国民の安全と安全保障が最優先だった」と語った。

さらに「私たちは正義と主権の原則を強く信じている」と続け、「マレーシアの捜査当局は、私たちの土地で発生した重大な犯罪の捜査を継続する。責任者を究明して処罰するためにあらゆる手段をとるよう指示した」と付け加えた。

【参考記事】マレーシア副首相「金正男の遺族と直接接触、DNA入手」

ナジブ首相はツイッターでも「外交危機は全て終わった」とツイートしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:トランプ氏の自動車関税、支持基盤の労働者

ビジネス

2025年度以降も現在の基本ポートフォリオ継続、国

ビジネス

TSMC、台湾で事業拡大継続 新工場は7000人の

ビジネス

午後3時のドルは149円付近に下落、米関税警戒続く
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中