最新記事

米ロ関係

ドイツ外相、新たな軍拡の可能性を警告 米ロの軍備強化をけん制

2017年3月10日(金)10時39分

3月9日、ドイツのガブリエル外相(写真右)は、訪問先のモスクワで、ロシアによるバルト海周辺や同国西端での軍事力増強や米国の軍事費増額に懸念を示し、再び軍拡競争の悪循環に陥る可能性があると警告した。写真左はロシアのプーチン大統領(2017年 ロイター/Pavel Golovkin)

ドイツのガブリエル外相は9日、訪問先のモスクワで、ロシアによるバルト海周辺や同国西端での軍事力増強や米国の軍事費増額に懸念を示し、再び軍拡競争の悪循環に陥る可能性があると警告した。

また、軍縮への第一歩としてウクライナ東部の紛争解決に向けたミンスク和平合意の履行を呼び掛けた。

外相はロシアのラブロフ外相と会談後記者団に対し、ミンスク和平合意の履行に向けたドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4者での取り組みを進めることでロシア側と一致したと述べた。

また、ウクライナ紛争の双方の当事者は、重火器の撤収を含む合意内容を順守する必要があると強調した。

外相はラブロフ氏との共同記者会見で、ロシア西端のカリーニングラード州でのミサイル配備について言及しなかったが、8日にロシアのインタファクス通信に対し、ミサイル配備を恒久的なものにする動きは「欧州の安全保障に対する打撃」になると警告していた。

これに関連しガブリエル氏は9日、「バルト諸国やポーランドでの多数の武装部隊や、米国での軍事費の歴史的増額を巡る議論など、双方の議論を踏まえると、われわれが再び軍拡競争の悪循環に陥る可能性を懸念している」と述べた。

また、従来型の戦略的軍縮はドイツの外交政策の中核を成しているとした。

米中央情報局(CIA)がドイツの米領事館を拠点にハッキングを行っていたとの報道に関しては、ドイツ政府は何も把握していないと語った。

[モスクワ 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

野村HD、バンキング部門を新設 資産形成や資産承継

ビジネス

リクルートHD、4500億円上限に自社株買い M&

ビジネス

イオン、イオンモールとディライトを完全子会社化

ワールド

中国実弾演習、民間機パイロットが知ったのは飛行中 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 3
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 4
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 5
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 6
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 7
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 8
    老化は生まれる前から始まっていた...「スーパーエイ…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくな…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 3
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 6
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中