金正男の長男ハンソル名乗る動画 身柄保全にオランダが関与か
だが、この二つの単語を組み合わせることは北朝鮮の人間なら違和感を感じるという指摘が出されている。朝鮮日報が伝えるところでは、アン・チャンイル世界北朝鮮研究センター所長は「北朝鮮で教育を受けた人であれば、この二つの単語を組み合わせた奇妙な名称を使用しない」という。Webサイトに公開された団体の英語表記「Cheollima」も北朝鮮で使用される「Chollima」と異なる。このため、北朝鮮国内や脱北者が作った団体ではなく、海外の特定の機関や人物が、北朝鮮政府関係の高位にいる者の脱北を誘導しようとして作られた団体とも思われる。
また、この団体が開設したWebサイトについても、連絡先として掲載されたメールアドレスは暗号化されたメール送信を行えるWebメールであること、ドメインの登録も「WhoisGuard」という業者を介して実際の登録者が明かされないようにするなど、自分たちについて追跡されないようセキュリティに配慮していることが分かってきた。キム・ハンソルと見られる動画がアップされたYouTubeアカウントとWebサイトのドメインがともに4日に登録されていることから、公開直前に準備が始まったようだ。
さらに、韓国メディア国民日報が伝えるところでは、この組織がWebサイトで支援のための寄付を呼びかけているビットコインの口座には9日午前2時の時点で16回の振込があり、0.9902771 BTCが寄付されたという。日本円では13万5000円程度の金額である。
こうした人道支援活動を行う団体でありながら、はっきりと身元を明かさずに寄付を呼びかけている点について、実態のない詐欺ではないかという声もある。韓国中央日報によれば、政府当局者は「具体的な実体が把握されるまで、この団体にキム・ハンソルや脱北者支援のためにお金を渡すのは慎重であるべきである」と述べたという。
韓国駐在オランダ大使が手助け?
一方で、今回動画を投稿したCheollima Civil Defenseという団体が唯一、個人の名前を挙げて注目されているのが、オランダのロディ・エンブレヒツ韓国駐在大使だ。