15日のオランダ下院選、トルコとの対立は極右政党に追い風か
またルッテ氏とウィルダース氏は13日夜に1対1の討論会を開き、主に移民流入阻止の方法を巡って火花を散らした。
ルッテ氏は、ウィルダース氏が提唱する国境とモスクの封鎖、コーラン禁止を「偽物の解決策」とこきおろし、「われわれが難民危機の原因に焦点を当てているのに、あなたはコーランの取り締まりに全力を注ぐという無駄な努力をしている」と語った。
一方でウィルダース氏は、ルッテ氏がオランダ人より新たな入国者により手厚い福祉を提供していると批判。「われわれは、難民申請を求める人のためではなく、オランダ人自身やその両親のためになる候補を選ぶ必要がある。あなたはオランダ人ではなく外国人を代表する首相だ」と論じた。
ロイターの最新調査では、VVDの支持率が16.2%と最も高く、PVVが13.4%、CDAは12.5%で上昇傾向にある。
上位4党の支持率が接近していてどの党も第1党になり得るが、連立政権を立ち上げるには他の3党に協力を仰がなければならない。
アムステルダム大学のRens Vliegenthart教授は「新政権が一筋縄でいきそうにないことは既に分かっている」と述べ、長期にわたる協議の末にVVDとCDAが主導し、民主66と恐らくは初めてグリーン・レフトが参加する形の中道右派政権が誕生すると予想した。
ただしトルコとの対立激化で世論調査の見通しは当てにならなくなる、と専門家は警告する。ライデン大学のJoop van Holsteijn教授は、移民と国の一体性、対トルコ関係が突如として非常に目立つ問題となり、ウィルダース氏がそうした情勢の恩恵を最も受ける可能性が依然としてある、と分析した。
(Toby Sterling記者)