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シャーロックとワトソンの名探偵コンビ、ドラマは衝撃の第4章へ(ネタばれ注意)

2017年2月8日(水)10時10分
トゥファエル・アフメド

Courtesy of Todd Antony / HARTSWOOD FILMS 2016 FOR MASTERPIECE

<波乱の展開から目が離せない『SHERLOCK』。新シリーズの見どころを作り手の2人に直撃>(シャーロック〔左〕と相棒のワトソン)

シャーロック・ホームズに妹がいたって知ってます?

いたのです、少なくともベネディクト・カンバーバッチ主演の『SHERLOCK シャーロック』第4シーズンによれば(年初から英BBCで放送中。日本での放送時期は未定)。

第1話ではジョン・ワトソン(マーティン・フリーマン)の妻メアリーが死に、第2話ではシャーロックの妹の存在が明らかになる。しかも妹のユーラス(シアン・ブルック)はシャーロックの破滅を望んでいるらしい。でもなぜ? それに、今まではどこに隠れていた?

いや、これ以上はネタばれのタブーを犯すことになるから筆者には言えない。代わりに製作総指揮のスティーブン・モファットと、同じく製作総指揮でシャーロックの兄マイクロフト役のマーク・ゲイティスに語ってもらおう。

***

――いつから妹を登場させるつもりだった?

【モファット】第3シーズンの最終話「最後の誓い」を撮影していた頃だ。

【ゲイティス】最初は冗談のつもりだった。実は第1シーズンに、シャーロックがマイクロフトについて「確かに兄さんは僕より賢いが、妹は......」と何げなく言うセリフがあったんだ。でもカットした。アイデアは前からあったが、今回のような形じゃなかった。

【モファット】仕掛けは単純なんだ。「まさかこうなるとは」と観客の度肝を抜くよりも、「こうなると予想できたはずなのに」と悔しがらせるのが理想のどんでん返し。ミステリーの女王アガサ・クリスティーが証明したように、読者や観客を驚かすときは先に手掛かりを示しておいたほうが面白い。

【参考記事】異常なカンバーバッチ、自らを語る

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法医学者のモリー・フーパー〔右〕 Courtesy of Ollie Upton / HARTSWOOD FILMS & MASTERPIECE

――最終話はどうなる?

【モファット】「なぜシャーロックは実の妹に気付かなかったのか」という問いに対する答えが示される。全てが明かされるんだ。簡単な種明かしさ。最終話はこれまでの総まとめで、到達点だ。ホームズとワトソンは心身共に傷つき弱っていたのが嘘のように、真骨頂を発揮する。ここでシリーズを打ち切ってもいいくらいだ。前シーズンまではストーリーを宙ぶらりんにしたまま終わったから、打ち切れなかった。

【ゲイティス】このドラマは、ホームズとワトソンが名探偵とその相棒になるまでを描いてきた。バックグラウンドを紹介したんだ。次のシーズンを作るとしたら、今度はホームズが「出掛けるぞ」とワトソンを誘いに行く場面からいきなり始められる。2人はもう誰もが知る名コンビだから、説明は必要ない。

――妹役のシアン・ブルックはどうやって見つけた?

【モファット】キャスティング担当者に、スターになれるはずなのになっていない才能豊かな女優を探してくれと頼んだ。これでシアンは大スターになる。

【ゲイティス】ベネディクト・カンバーバッチみたいにね。

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