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ロシア

プーチンがひそかに狙う米シェール産業の破壊

2017年2月24日(金)11時00分
ドリュー・ジョンソン(米納税者保護連盟・上席研究員)

米上院の14年の報告書では、シー・チェンジ財団という組織が自然保護有権者連盟、シエラクラブ、天然資源保護協議会(NRDC)などの反シェール団体に11年に4300万ドル以上を支援したと指摘された。この財団は、プーチンやロシアの石油業界と直接関係があるバミューダ籍のダミー会社から多額の資金援助を受けている。

フラッキングが環境や健康に悪影響を与えるという説は、科学的に否定されている。米環境保護局(EPA)は4年がかりの調査の末、フラッキングが「飲料水に広範かつ体系的な影響を与えている証拠は見つからなかった」と15年に結論付けた。米地質調査所(USGS)の調査も、フラッキングによる地下水汚染を否定するものだった。

フラッキングは間違いなくアメリカに利益をもたらした。健康や環境を危険にさらすことなく多くの雇用を創出し、経済を活性化させ、エネルギー自給への道を切り開いた。今もシェールを攻撃し続けているのは、ロシアによる反科学、反米プロパガンダの操り人形だけだろう。

ロシアはあらゆる手段を使ってアメリカのシェール産業を破壊するつもりだ。アメリカはこの脅威に敢然と立ち向かわなくてはならない。フラッキングをめぐる戦いは、アメリカにとって負けられない戦いだ。

(筆者が所属する納税者保護連盟は、より信頼でき、より小さな政府の実現を提唱するNPOの社会教育機関)

[2017年2月21日号掲載]

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