金正男の暗殺事件で北朝鮮の男を逮捕 謎の男の正体は?
韓国メディアnews1によれば、リ・ジョンチョルとされる男のfacebookページには、2000年金日成総合大学を卒業し、2010年にアメリカのマサチューセッツにあるIACSという学校を卒業したことになっている。20人ほどの「友達」とつながっているが、facebookは2011年4月から7月の3カ月間更新されただけで、その後は放置されているようだ。
このfacebookページには、リ・ジョンチョルのプロフィール写真も掲載されていて、化学実験をしているような姿が見られる。インドと関連した動画がシェアされていることからリ・ジョンチョルはしばらくの間、インドに滞在していたものと推定される。フェイスブックには、「私は今、ポスドクとしてこのインドのコルカタに8月まで住んでいる」と書かれている。
北朝鮮からの派遣労働者、だが待遇は外交官以上
一方、聯合ニュースが現地の東方日報を引用して伝えるところでは、リ・ジョンチョルは常に中国語などではなく北朝鮮の言葉を話していたという。また、マレーシア政府が外国人労働者に発行する身分証明書「i-Kad」を所持していたというが、これは本人の個人情報のほか、働く会社名が記載されるもので、1年ごとに労働許可を更新するという。つまりリ・ジョンチョルは北朝鮮からマレーシアに外貨稼ぎのために来た派遣労働者と推測される。
だが、北朝鮮は自国民の亡命を防ぐため、海外に送る派遣労働者はもちろん外交官であっても、特別なことがない限り単独で渡航させて、家族は北朝鮮国内に残させる。また、外交官であっても大使館か一定の公館で集団生活を送るのが一般的である。ところが、リ・ジョンチョルは派遣労働者なのにマレーシアの中流家庭と同じアパートに家族と一緒に暮らす「贅沢」をしていた。これは何を意味するのだろう?