12歳で売られた花嫁 ロヒンギャの少女を取り巻く現実
批判を受けるマレーシア
人権団体によると、ロヒンギャ女性がミャンマーを逃れて、たいてい家族同士が決めた避難先のロヒンギャ男性と結婚することはよくあるという。こうしたお見合い結婚のなかには、未成年の少女もいる。
しかし、花嫁をロヒンギャ男性に売る人身売買業者の犠牲になる女性や少女が増加している。
東南アジアで活動する移民・難民の保護団体「フォーティファイ・ライツ」のマシュー・スミス代表は、ラカイン州での暴力悪化を受け、子どもの花嫁が「かなり」増加したのを同団体は目の当たりにしたと語った。
結婚のために売られた少女に関する公式統計はない。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2015年、報告書のなかで、マレーシアに子どもの花嫁が120人いることを確認したが、そのうち何人が人身売買の犠牲者なのかは不明だとしている。
マレーシアは国連の難民条約に加盟しておらず、亡命を求めるロヒンギャの搾取に加担していると、人権団体は主張する。ロヒンギャを不法移民として扱い、彼らが雇用や医療や教育に正規にアクセスする道を断っているからだ。彼らは不法にレストランや建設現場で働き、貧しい生活を強いられている。
マレーシアは今月、ロヒンギャ300人を雇用する対策を打ち出した。人権団体はこうした動きを歓迎している。
ロイターは本記事についてマレーシア政府にコメントを求めたが、返事はなかった。
許される子どもの結婚
イスラム教徒が多数を占めるマレーシアは子どもの結婚に寛大である。
イスラム法(シャリア)の下では、16歳未満のイスラム教徒の少女でも、シャリア裁判所の許可があれば結婚できる。ただし、マレーシアにおけるロヒンギャの結婚において、裁判所は関与していない。ロヒンギャの指導者が取り仕切り、結婚証明書は発行されるものの、それがマレーシアの法律の下で合法な文書であるかは示されていない。