トランプの不法移民対策、みずから「壁」にぶち当たる可能性
エルパソから同じくテキサス州のトーニローを越えた辺りまで約65キロに及ぶ、高く赤褐色のフェンス沿いでは、米国境警備員のホセ・ロメオ氏がそのような傾向を目の当たりにしている。
「現在、米国に渡ろうとする多くは家族で、自ら捕まろうと警備員を探している」とロメオ氏は話す。かつては見つからないようにしている移民がもっといたが、今では「彼らは捕まりたいと考えている」と同氏は語る。
2010年に完成したフェンスは、テキサス側ではピーカンナッツ畑と灌がい用水路の近くで、リオグランデ川を挟んだメキシコ側では麻薬戦争で荒れ果てたバジェ・デ・フアレスで突然途切れる。
昨年2月、メキシコのペニャニエト大統領と米オバマ政権のプリツカー商務長官は、2国間貿易の促進を期待してテキサス州トーニローとメキシコのグアダルーペの間に新たに主要な検問所を開設した。
昨年11月時点では、この橋の交通量は依然として少なかった。
代わりにICEは、周辺地域で急増する米当局者に捕らえられた移民家族の手続きを促進すべく、橋の米国側のアスファルトの上に500カ所の白テントを設けて一時的な収容所としている。
(Frank Jack Daniel記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)