トランプ&プーチンの蜜月、米議会圧力で破局か
議会との対立はあるか
共和党のリンジー・グラハム上院議員は、同党のジョン・マケイン上院議員(上院軍事委員会委員長)とともに、現行よりも厳しい制裁を科すための法律を導入すると述べた。
「彼ら(ロシア)の最大の弱点である金融部門・エネルギー部門に打撃を与えるような制裁を導入するつもりだ」とグラハム上院議員は、NBCの「ミート・ザ・プレス」で語った。
新政権の国防長官に指名されたジェームズ・マティス氏(元中央軍司令官)は12日に上院の指名承認公聴会に臨む予定だが、トランプ氏が選挙期間中に語ったものよりも厳しい対ロシア政策を主張すると予想されている。
その場合、マティス氏は、トランプ政権の国家安全保障担当補佐官となるマイケル・フリン氏(退役陸軍中将)や国務長官に指名されているレックス・ティラーソン氏と意見が対立することになる。フリン氏はプーチン政権と比較的良好な関係にあるし、ティラーソン氏も米石油大手エクソンモービルのCEOとして、ロシアとの関係が深かったからだ。
マティス氏がロシアに対する強硬なアプローチを推進すれば、欧州における米軍のプレゼンス強化を訴える人々を勢いづける可能性がある。その方策としては、バルト3国やポーランドにおける米軍の強化が考えられる、とアナリストは分析する。
北大西洋条約機構(NATO)はすでに、年内に旧ソ連の共和国だったバルト3国とポーランドに4万人の兵員と航空機、戦車、火砲を追加配備することを計画している。
「欧州のNATO加盟国は、トランプ新政権に神経を尖らせている」と欧州のある外交官は語る。「ロシアに大きく譲歩すれば、NATOの針路は根本的に変わってしまい、欧州は分裂の危機にさらされるだろうという」
「しかし、われわれの予想は違う。NATOはバルト地域の同盟国を安心させようと努めているし、米国は抑止の重要な一翼を担っている」と同外交官は付け加えた。