NAFTA再交渉、自動車の「原産地」厳格化めぐり議論再燃か
ロイターが入手したIHSマークイットのデータによると、フィアット・クライスラーの最人気車種ラムは約半分がメキシコで生産されている。
フォードは今月、16億ドルでメキシコに工場を建設する計画を撤回してトランプ大統領から賞賛された。しかし売れ筋セダン「フュージョン」や小型車「フォーカス」をメキシコで生産する計画は変えていない。
IHSマークイットの推計によると、昨年メキシコで生産されて米国に輸出された自動車は全メーカーの合計が200万台近くに上り、今年はこれが14.5%増える見通し。
トランプ大統領はメキシコからの自動車輸入に35%の関税をかけると息巻いている。しかし自動車業界のシンクタンク、センター・フォー・オートモーティブ・リサーチは今月公表したリポートで、この関税が導入されれば米国の自動車販売は年間に45万台減少し、北米全体で自動車組み立て職6700人分が影響を受けると予想した。
LMCオートモーティブも別の調査で、トランプ政権が極めて保護主義的かつ孤立主義的な姿勢を取れば、米国の乗用車とライトトラックの販売が打撃を受けるとの見通しを示した。ただ、新政権が減税を実施し、インフラ投資を実行に移せば、自動車販売が年30万─50万台増えることもあり得るという。
(Bernie Woodall記者)