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アメリカ政治トランプ、外国人テロリスト対策にCIA「秘密収容施設」復活か
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1月25日、トランプ米大統領は、オバマ前政権によって廃止された外国人テロ容疑者収容のための中央情報局(CIA)の海外「秘密施設」について、復活させる必要があるかどうかを検討するための大統領令に近く署名する見通し。写真はポーランドが提供していたとされる米CIAの海外「秘密施設」のフェンス。同国北部ヴァルミア=マズールィ県のスタレ・キエイクティ村で2014年1月撮影(2017年 ロイター/Kacper Pempel)
トランプ米大統領は、オバマ前政権によって廃止された外国人テロ容疑者収容のための中央情報局(CIA)の海外「秘密施設」について、復活させる必要があるかどうかを検討するための大統領令に近く署名する見通し。2人の政府関係者が25日、明らかにした。
秘密収容施設は2001年9月11日の米同時多発攻撃後に拘束した容疑者を収容するためポーランド、リトアニア、ルーマニア、タイ、アフガニスタンで開設。拷問を用いた厳しい尋問を行ったとして非難されてきた。
関係者によると、トランプ氏は大統領令に数日内に署名する見通し。ワシントン・ポスト紙が伝えたところによると、大統領令の原案は、「米国外で重要度の高い外国人テロリストを尋問する制度を復活させるかどうか」、あるいは、施設をCIAの管轄下に置くかどうかについて、高官レベルの見直しを行うよう指示している。
この原案に対しては共和党内からも批判の声が上がった。共和党のマケイン上院議員は声明で、「大統領はいかなる大統領令に署名しようと自由だが、法律は自由にできない。米国で拷問を復活させるつもりはない」と表明した。
複数の関係者などによると、情報機関の職員や軍人の多くも過酷な尋問を再開することに反対している。
スパイサー大統領報道官は、報じられた大統領令の原案はホワイトハウスが管理している文書ではないと述べた。
トランプ氏はABCニュースのインタビューで、「水責め」と呼ばれる過酷な尋問を認めるか聞かれ、「ポンペオ(CIA長官)やマティス(国防長官)、わたしのチームに判断は任せる。彼らが望まないならばそれで結構だ。彼らが望むならば実施に向けて取り組む」と述べた。
議会筋によると、マティス氏とポンペオ氏は秘密収容施設再開に向けた動きについて知らされていないという。
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