Airbnbを締め上げるNY新法は誰のため?
その結果、奇妙に中途半端な状態が生まれてしまった。州法の規制対象は、ある面では広過ぎ、ある面では狭過ぎる。
広過ぎるというのは、居住者不在のアパートの貸し出しがすべて賃貸住宅の供給減につながると決め付けている点だ。狭過ぎるというのは、民泊が賃貸住宅市場をゆがめているのなら、居住中の家の空き部屋に民泊客を泊めることも規制しなければ理屈に合わないという点だ。
ニューヨーク州の新法がサンフランシスコ市などの民泊規制と異なるのは、Airbnbではなく、ホストとなる市民に制裁を加える点だろう。
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サンフランシスコ市は、法律違反の広告を載せた場合にAirbnbに罰金を科すとしているが、このアプローチには1つ問題がある。アメリカの法律では、インターネット企業は第三者の掲載したコンテンツに関して責任をほぼ免除されているのだ。その意味で、新しいニューヨーク州法は、法律的には賢い策と言えそうだ。
しかし、Airbnb経由で部屋を1週間貸したことを理由に、何千人ものニューヨーカーに巨額の罰金を科すことは、政治的に賢明とは思えない。民泊という選択肢を大幅に狭めれば、得をすることになるのは高い宿泊料を取るマンハッタンの高級ホテルだろう。
© 2017, Slate
[2016年12月 6日号掲載]