慰安婦問題合意から1年 日韓合意はパク大統領と共に消え去る?
一方、韓国の政界でも従軍慰安婦合意について、見直し議論が出てきている。
政権与党のセヌリ党はチョン・ヨンギ院内首席報道官が「遅々として進まずにいた日韓慰安婦の合意を妥結させた」ものとして昨年の日韓合意の意義を強調する立場だが、そのセヌリ党からき27日に分離独立した改革保守新党は、「国家対国家の条約や条約ではないので、追加の協議が必要だ」と見直しの立場を示した。
また野党第1党のチュ・ミエ加共に民主党代表は、ソウル日本大使館前で行われた慰安婦問題を訴える水曜集会に参加。「つじつまが合わない協定を国民に強要するパク・クネ政権は、日韓慰安婦合意と一緒に消えるべきだと宣言する」と語った。
昨年、韓国国内での異論があるなか、パク・クネ大統領が日韓国交正常化50年の節目のタイミングを利用して日本側との交渉をすすめた慰安婦問題合意。だが、旗振り役のパク大統領が、自らのスキャンダルによる弾劾決議で職務停止に陥り、与党セヌリ党は離党者のために国会では第2党へと転落。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式に、情勢が代われば全てがガラッと変わるのが韓国社会の常とはいえ、このままでは慰安婦問題合意をてこに雪解けムードが見えかけた日韓関係は、再び暗礁に乗り上げてしまいかねない。