プーチン訪日を批判報道する中国――対中包囲網警戒も
「モスクワ時事」によれば、ロシアのペスコフ大統領報道官は14日、この報道に関して「コメントしない」と語り、その上で「ロシアなら会談内容を明かさない」と述べ、日本側に強い不快感を示したという。
日本のメディアが、日本の首相の首を絞めているといったところか。
そのペスコフ報道官が15日に、「(日露首脳)二人の間では、そもそも領土問題は語られなかった」と話したのは、この「不快さ」への報復だったのだろうか。さもなければ、「ロシアなら会談内容を明かさない」と述べたことと、矛盾する。
ロシアの法律の下で
12月17日になっても、CCTVは昼のニュースで日露首脳会談の特集を組んでいたが、そこでは日本の産経新聞が「露政府高官は15日夜の時点でも『共同経済活動はロシアの法の下で行われる』と力説していた」ことを取り上げていた。
そのニュースを見たのちにネットで調べてみると、たしかに産経新聞は「12/17(土) 7:55配信」の「 日露首脳会談 プーチン氏に経済の"果実"...国際的孤立脱却アピールも」というタイトルの報道で、CCTVがその日のお昼のニュースで報じたことを公開している。
これら日本の報道を実に効果的に切り貼りしながら、中国が意図的に批判しているのではなくて、日本の報道から「客観的」に報道しているのだと見せかけながら、結果として日本への皮肉を込めた批判報道になっているのだ。
トランプ次期大統領誕生で対中包囲網を警戒
というのは、何といってもトランプ次期大統領が選挙中からプーチン大統領を高く評価し、事実、次期政権の国務長官にプーチン氏と親しい企業家を指名している。
「プーチン・習近平」蜜月が続いたのは、あくまでもオバマ大統領がウクライナ問題などで対露経済封鎖を強行したり、ロシアをG8(先進8か国首脳会議)から追い出してG7としたりなどしたからだ。孤立化したプーチン大統領は、当然の帰結としてG7に入っていないし対露経済封鎖にも参画していない中国の習近平国家主席にラブコールを送る結果を招く。
しかし、そのプーチン大統領をトランプ次期大統領が気に入れば、習近平国家主席の存在意義はなくなる。もう、「あなたは、要らない」のである。