最新記事

米大統領選

マドンナ、トランプに投票した女性たちに「裏切られた」

2016年12月7日(水)16時46分
トゥファイエル・アーメド

トランプ当選以来よく眠れないというマドンナ Neil Hall-REUTERS

<米大統領選でクリントンではなくトランプに投票した女性が多かったことに失望するマドンナ。しょせん女性は、同性ではなく「男と子供をかばう」と分析>

 米人気歌手のマドンナは、米大統領選でドナルド・トランプに投票した女性たちに「裏切られた」と感じている。

 米音楽誌「ビルボード」が主催する今年の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたマドンナは、先月の大統領選ぎりぎりまでトランプ反対を訴えた。5日に発売された同誌のインタビューで、トランプの勝利について「誰よりも愛する人に先立たれた気持ちだった」と胸の内を語った。

 投開票日の数週間前には、女性にわいせつな行為をしても自分なら許されるとトランプが女性蔑視の発言を録音したテープが暴露され、大きな批判を呼んでいた。それにもかかわらず、女性初の大統領候補だったヒラリー・クリントンではなくトランプに投票した女性の割合が「本当とは思えないほど高かった」とマドンナは批判した。

【参考記事】有名キャスターをここまで脅していたトランプ陣営

「女性は女性が嫌い。そういうことでしょう」と自身の見方を語った。「女性には同性を応援しないという性質がある。とても悲しいことだ。男性はお互いにかばい合うけど、女性がかばうのは自分の男と子ども。女性は内向きだけど、男性はもっと外に向いている」

女性はヒラリーに嫉妬した

「(今回の選挙結果は)同性に対する嫉妬心や、自分と同じ女性が国を率いることを受け入れる能力が(女性に)欠けていたのも原因」

【参考記事】トランプの首席戦略官バノンは右翼の女性差別主義者

 マドンナは、先月トランプの勝利が確定して以来、眠れない夜を過ごしていると明かした。

「失望と驚きとショックで、彼が次期大統領に決まってからぐっすり眠れない。私たちは大失態を犯した」

 マドンナはトランプについて「とてもフレンドリーでカリスマ性がある」と評し、個人的な好みで批判するのではないが、政治の舞台に立つべき人間ではないと言った。

【参考記事】ヒラリー対トランプの「ゴシップ合戦」に突入した大統領選

「彼の政治家としての不適任ぶりは滑稽なほど」とマドンナは言う。トランプが保有するフロリダ州パームビーチにあるゴルフリゾート「マー・ア・ラーゴ」を写真集の撮影のために訪れた際、トランプに会った時のことだ。「20年も前で、まさか彼が大統領選に出馬するなんて知るはずもない。世の中にああいうタイプの人はどこにでもいるし、それ自体は構わない。でも大統領はだめ。バラク・オバマと同じ文脈で、同じ部屋で同じ職業に就く人間としてトランプを扱うなんて、私にはできない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中