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トランプ、アップル、MSなど保有の企業株式は6月に全て売却済み

2016年12月7日(水)07時32分

 12月6日、トランプ次期米大統領が、保有していた企業株式をすべて売却していたことがわかった。写真はニューヨークで同日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

トランプ次期米大統領が今年6月、保有していた企業株式をすべて売却していたことがわかった。同氏の政権移行チームが6日明らかにした。大統領選に向けた資金調達が目的だったとみられると同時に、大統領職との利益相反をめぐる懸念解消につながる可能性がある。

5月時点の資産報告書によると、同氏の株式ポートフォリオには米アップル、マイクロソフト、JPモルガン・チェースなどの銘柄が含まれていた。

また米紙ワシントン・ポストが同日報じたところによると、昨年12月時点のトランプ氏の株式ポートフォリオの価値は4000万ドル相当。銀行や石油会社などの銘柄が含まれていた。

トランプ氏の報道官ジェイソン・ミラー氏は電子メールで、トランプ氏が保有株すべてを売却したことを明らかにしたが、売却益の使途や他の投資からも手を引いたかどうかをめぐる質問には回答を控えた。

政権移行チームは株式売却に関する書類は提供していない。

政府倫理局によると、トランプ氏は2018年5月まで新たな資産報告書を提出する必要はない。大統領は通常、そうした情報を1期目に自主的に公表する。

保有株式の売却はビジネスマンから大統領に転身するトランプ氏にとって利益相反の可能性を低下させるものの、同氏が世界で展開する不動産やホテル・ゴルフリゾート事業などをめぐる懸念の解消にはつながらない。

トランプ氏はこれまでに、こうした事業から身を引く意向を示しているが、後継プランなど詳細は発表していない。

トランプ氏は同日、新型の大統領専用機「エアフォースワン」にかかるコストは「制御不能」とし、米航空機大手ボーイングへの発注をキャンセルするよう政府に要請。同氏が過去にボーイング株を保有していたこともあり、物議を醸す格好となった。



[ワシントン 6日 ロイター]


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