最新記事

アメリカ政治

トランプ、ブッシュ政権のイラク戦争支持派を政権幹部に起用か

2016年11月15日(火)19時05分

11月14日、トランプ次期米大統領が2003年のイラク戦争を支持していた当時のブッシュ政権幹部のうち複数名を国家安全保障に関わる政権の要職に起用する方向で検討していることが、共和党関係者の話で明らかになった。写真はジョン・ボルトン元国連大使。ニューヨークで2011年9月撮影(2016年 ロイター/Eduardo Munoz)

 トランプ次期米大統領が2003年のイラク戦争を支持していた当時のブッシュ政権幹部のうち複数名を国家安全保障に関わる政権の要職に起用する方向で検討していることが、共和党関係者の話で明らかになった。

 起用される可能性があるのは、ネオコン(新保守主義派)として知られるジョン・ボルトン元国連大使とウールジー元中央情報局(CIA)長官。

 トランプ氏はこれまで、イラク戦争には一貫して反対していたと発言している。

 関係者によると、ボルトン氏は外交を担う国務長官への起用が検討されているという。報道によると、ウールジー氏は国家情報長官候補となっている。

 また、ボルトン氏の一番の側近でCIAの元職員、フレデリック・フレイツ氏の政権入りも検討されている。

 イラク戦争で軍務に就いた経験のある関係者は、イラク戦争を支持した要人はイラクでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で部隊の増派に傾く可能性があると指摘した。

 米情報機関の近東部門トップを05年まで5年間務めたポール・ピラー氏は、トランプ氏は外交の経験がほとんどなく、外交政策についての発言も一貫性がないため、政権の上級職の人事が極めて重要だと語った。

 ボルトン氏とウールジー氏はコメントの要請に応じなかった。

 ボルトン氏が国務長官に指名された場合、上院で承認されるかどうかは不透明だ。2005年に上院の民主党議員らは1人の共和党議員とともに、ボルトン氏の国連大使指名承認を阻止したことがある。ただ、当時のブッシュ大統領は米議会閉会中に大統領の権限で同氏を国連大使に就任させた。

 フレイツ氏は電話で、トランプ氏による政権移行に関わっていることを確認したが、それ以上のコメントは避けた。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米プリンストン大への政府助成金停止、反ユダヤ主義調

ワールド

イスラエルがガザ軍事作戦を大幅に拡大、広範囲制圧へ

ワールド

中国軍、東シナ海で実弾射撃訓練 台湾周辺の演習エス

ワールド

今年のドイツ成長率予想0.2%に下方修正、回復は緩
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中