最新記事

2016米大統領選

トランプ、オバマ大統領と初会談 互いの違い超え融和へ結束演出

2016年11月11日(金)10時21分

11月10日、トランプ次期米大統領はホワイトハウスでオバマ大統領と会談し、政権移行について1時間半協議した。10日、会談するトランプ氏(左)とオバマ大統領(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

米共和党のドナルド・トランプ次期大統領が、ホワイトハウスでオバマ大統領と初めて会談し、政権移行について1時間半協議した。

トランプ氏はオーバルオフィス(大統領執務室)で記者団に対し、さまざまな状況について話し合ったと指摘。オバマ氏から「実現したいくつかの素晴らしいこと」について説明を受けたと述べたが、詳細には触れなかった。今後もオバマ氏との会談を重ねることを楽しみにしているとした。

オバマ氏は「次期大統領の成功を確実にするような政権移行を実現することが、今後2カ月の私の最優先課題」と強調し、米国が直面する課題の克服に向けて国民に結束を求めた。

会談では国内問題や外交政策、政権移行に関する詳細が議題に上った。

選挙期間中は互いを激しく批判していた両氏だが、この日の会談では見解の相違を超え、笑顔を交えながら結束を演出した。トランプ氏勝利に反発するデモが米国で広がるなど、深く分断した国民の融和に腐心している様子がうかがえる。

トランプ氏のメラニア夫人もホワイトハウスを訪れ、ミッシェル・オバマ大統領夫人と会談した。

トランプ氏はその後、共和党のライアン下院議長、マコネル上院院内総務と相次いで会談。

トランプ氏はライアン氏との会談後、記者団に対し「われわれは減税を実施する。医療保険を改革し、より手頃で良いものにする」と述べた。選挙戦ではトランプ氏の過激発言などを受けてライアン氏が支援を拒否するなどの経緯があり、両氏は関係修復に向け取り組んでいる姿勢を示した。

トランプ氏はまた、移民、医療改革、雇用の3つが最優先課題との考えを示した。マコネル氏との会談後、記者団に述べた。

トランプ氏の選挙サイトからはこの日、イスラム教徒の入国禁止を含む過激な提案が削除された。より現実的な路線へと軌道修正している兆しとも受け取れるが、実際にこうした政策を断念したかは不明。



[ワシントン 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-中国、欧州EV関税支持国への投

ビジネス

中国10月製造業PMI、6カ月ぶりに50上回る 刺

ビジネス

再送-中国BYD、第3四半期は増収増益 売上高はテ

ビジネス

商船三井、通期の純利益予想を上方修正 営業益は小幅
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 2
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符を打つ「本当の色」とは
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 5
    北朝鮮軍とロシア軍「悪夢のコラボ」の本当の目的は…
  • 6
    米供与戦車が「ロシア領内」で躍動...森に潜む敵に容…
  • 7
    娘は薬半錠で中毒死、パートナーは拳銃自殺──「フェ…
  • 8
    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…
  • 9
    キャンピングカーに住んで半年「月40万円の節約に」…
  • 10
    衆院選敗北、石破政権の「弱体化」が日本経済にとっ…
  • 1
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 2
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 3
    キャンピングカーに住んで半年「月40万円の節約に」全長10メートルの生活の魅力を語る
  • 4
    2027年で製造「禁止」に...蛍光灯がなくなったら一体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語ではないものはどれ?…
  • 6
    渡り鳥の渡り、実は無駄...? 長年の定説覆す新研究
  • 7
    北朝鮮を頼って韓国を怒らせたプーチンの大誤算
  • 8
    「決して真似しないで」...マッターホルン山頂「細す…
  • 9
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 10
    【衝撃映像】イスラエル軍のミサイルが着弾する瞬間…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 8
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 9
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 10
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中