最新記事

中台関係

台湾の国民党は中国共産党に降伏宣言をするのか?――洪秀柱・習近平党首会談

2016年11月1日(火)11時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

台湾総統選挙に国民党候補として立候補していたときの洪秀柱 Pichi Chuang-REUTERS

 10月30日から大陸を訪問している台湾の洪秀柱国民党主席は、11月1日午後、習近平総書記と会談する。1945年から始まり未だ停戦協定を結んでいない国共内戦の和平協議を討議するとされているが、政権与党ではないので両岸統一への法的効果はない。しかし中国の軍事覇権を正当する口実につながる。

国共内戦はまだ終わっていない

 国共内戦とは、「中華民国」時代、国民党と共産党が中国大陸で戦った内戦で、第一次国共内戦(1927年~1937年)と第二次国共内戦(1945年~)とがある。

 第二次国共内戦は、1949年10月1日に毛沢東率いる共産党軍(中国人民解放軍)が勝利して中華人民共和国誕生を宣言すると、その年の12月に蒋介石率いる国民党軍と「中華民国政府」が台湾に撤退することによって、勝敗が決まったかに見えた。

 それでも、1971年10月までは「中国」という国家の代表として国連に加盟していたのは連合国側の一員として日中戦争を戦った国民党の「中華民国」であって、その国民党を倒して誕生した中華人民共和国ではない。しかしキッシンジャーの忍者外交などによる米中接近によって、1971年10月に中華人民共和国が「中国」という国の代表として国連に加盟すると、「中華民国」は国連から脱退し、大陸と台湾は台湾海峡を挟んで対峙したままである。つまり、1949年以降、分断されたままの状況が続いている。

 その意味で、国共内戦は、まだ終わっていないのである。

 国連に加盟すると、中国(中華人民共和国)は「一つの中国」を絶対条件として日米など、多くの国との国交を正常化していった。

 「つの国」を、中台双方で「一中」という呼び方をする。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中