最新記事

ブラジル

ブラジルのルセフ大統領、上院弾劾裁判で有罪判決 失職が確定

2016年9月1日(木)11時04分

 8月31日、ブラジル上院はルセフ大統領の弾劾裁判で同氏の罷免を決定した。写真は裁判に出席するルセフ氏、29日撮影。(2016年 ロイター/Ueslei Marcelino)

 国家会計の不正操作に関わったとされるブラジルのルセフ大統領の弾劾裁判で、上院は31日、同氏に対する罷免投票を行い、賛成61票、反対20票で有罪との判断を下した。

 ルセフ氏の失職が決まり、テメル大統領代行が大統領に昇格。13年続いた左派労働党政権が幕を下ろす。

 ルセフ氏側は決定を不服として最高裁判所に上訴する方針。上院で行われた別の投票の結果、ルセフ氏は8年間の公職追放は免れた。

 テメル氏は中道のブラジル民主運動党(PMDB)に所属する。ルセフ氏の残りの任期の2018年末まで大統領を務めるが、政策として掲げる民営化や、年金および社会保障関連の改革について、労働党からの激しい反発に直面する可能性が高い。

 ルセフ氏は支持者らに対し、自身の潔白を強調。弾劾について、多くのブラジル人を貧困から救った社会保障制度を後戻りさせようとする財界エリートに支えられた「議会のクーデター」だと主張した。

 長期にわたる労働党政権の交代に、南米諸国の左派政権も反発。ベネズエラ、ボリビア、エクアドルは大使を召還する方針を表明した。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国チベットで2回連続の強い余震、死傷者なし

ワールド

レバノン新首相にサラムICJ裁判長、ヒズボラ影響力

ビジネス

米クリーブランド・クリフス、USスチール買収検討か

ワールド

中国サイバー攻撃やウクライナ情勢など、トランプ氏の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン」がSNSで大反響...ヘンリー王子の「大惨敗ぶり」が際立つ結果に
  • 4
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 5
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 6
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アルミ缶収集だけではない...ホームレスの仕事・生き…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 7
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 8
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中