アメリカFRBが金利現状維持を決定 但し年内利上げ強く示唆
今回の決定は賛成多数。ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、メスター米クリーブランド地区連銀総裁、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の3名が利上げを主張し反対にまわるなど、FRB内で意見の不一致が広がっていることが浮き彫りとなった。
FRBメンバーによる今後の政策金利の推移を点で示したグラフ、いわゆるドット・プロットが示す年内の利上げ回数は、前回の2回から1回に後退。メンバー17人中3人は年内の据え置きを見込む。また2017年、18年の金利見通しも弱まり、長期の金利予想は従来の3.0%から2.9%に低下した。
金利先物が織り込む12月利上げの確率は50%超と、従来から大きな変動はみられていない。株式相場は値上がりで反応した。
アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は「7対3での決定となったことは非常に異例で、FRBが政策をめぐりジレンマを抱えていることを示している。これにより12月利上げの公算が大きくなった」と述べた。
<焦点は12月>
今回の声明では、経済見通しをめぐる短期的リスクはおおむね均衡(roughly balanced)しているもよう、との判断が示された。これは、経済が見通しを下回るか上回るかの可能性がほぼ同等であると当局者が認識していることを意味している。4-6月の経済成長率は低調に推移するなか、8月の雇用の伸びは予想に届かず、物価上昇率は反対に予想を上回った。
次回FOMCは11月1-2日に開かれるが、大統領選挙の直前に当たることなどから、政策変更は見送られるとの見方が多く、12月13-14日に開かれる年内最後のFOMCが焦点となる。
*ドット・チャートを含む予測資料は以下でご覧ください。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20160921.pdf
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20160921.htm
*以下の図表もご覧ください。