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アップルEU追徴税、米企業の資金還流促進でドル高か

2016年9月21日(水)10時12分

例えばアップルは、昨年の海外子会社の現金・流動性資産総額1869億ドルは「全般的にドル建てで持っている」という。

マイクロソフトも6月末時点の海外留保利益1130億ドルのうち92%は米政府債やエージェンシー債、社債、モーゲージ担保証券などドル建て証券だった。

それでもシティグループのチーフ通貨ストラテジスト、スティーブン・イングランダー氏は、海外のドル資金を単純に米国に戻すだけでも、ドルには大きな影響をもたらす公算が大きいと主張する。

同氏は「ドル資金は他通貨建て資産よりも迅速に米国株市場に復帰する。これが米株にとって大きな追い風となり、恐らくは海外投資家を米国に引き寄せ、リスク選好を強める形で米金利を押し上げる。それは相当強いドル高材料になる」と指摘した。

また同氏の試算では米企業の海外留保資金は2兆5000億ドル前後に達しており、外貨からドルへの転換がごく一部だとしても、それなりに相場を動かす力になり得るという。

(Patrick Graham記者)



[ロンドン 15日 ロイター]


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