トランプの「ロシア通」外交顧問カーター・ペイジとは何者?
すでに共和党から大統領候補指名を受けたトランプ氏は、3月21日付のワシントンポスト紙によると、5人の外交政策アドバイザーの1人としてペイジ氏の名前を挙げた。ロイターは、ペイジ氏がその後トランプ陣営のために行った仕事について、またトランプ氏が彼を選んだ理由について問い合わせたが、ヒックス氏からの回答は得られなかった。
ロシア政府に対して批判的なアレクサシェンコ氏は、2006年から2007年にかけてペイジ氏の上司だった。現在は、米シンクタンクのブルッキングス研究所で非常勤上級研究員を務めている。
この他にも、モスクワで勤務していたメリルリンチの元従業員3人がロイターに話したところによると、ペイジ氏はその職階からして、メリルリンチの取引で中心的な役割を果たしたはずがないし、当時は外交政策について真剣な関心や専門的知識を持っている様子はなかったという。
トランプ氏が外交担当チームを任命した後まもなくして、トランプ陣営の一員であるサム・クロービス氏は、陣営が目指しているのは、他候補のように元高官らに頼るのではなく、「実社会」や軍で経験を積んだ人材を集めることだと語った。
ロシア政府寄りの姿勢
対ロシア政策は今回の米大統領選において主要な争点となっており、トランプ氏はロシアのプーチン大統領を「力強い指導者」と呼んでいる。ロシアの国営メディアはトランプ氏について好意的に報道しており、民主党候補であるヒラリー・クリントン氏よりもトランプ氏の方がロシア政府にとって都合のいい候補者であることに疑いはない。
トランプ氏同様、ペイジ氏もオバマ政権の対ロ方針とは対立する意見を持っており、近年は、折に触れてロシア政府の姿勢におもねる見解を表明してきた。