任天堂がビジネスモデル転換、マリオでミッキーの後を追う
2015年度における同社のライセンス収入は約57億円で、売上高全体の1%程度にすぎなかった。ディズニーがミッキーマウスやトイ・ストーリー、くまのプーさん、最近ではスター・ウォーズなどで稼ぐ収入と比べたらほんの一部だ。
ミッキーマウスのティーポットやネクタイピン、本や雑誌、中国の英語学校まで含めた消費財でディズニーが前会計年度内に稼いだ売上高は計45億ドル。これは、同社売上全体の約9%に相当する。
ディズニーにとってライセンス事業は最も急成長している部門であり、2015年10月3日までの1年間で、営業利益は前年比29%増となっている。2010年公開の映画「トイ・ストーリー3」は、映画館やテレビ放映で17億ドルを売り上げたが、おもちゃや本、スマホアプリといったライセンス商品のそれは73億ドルに上る。
一部の投資家は、このようなレベルにまで任天堂が達するには困難が伴うとみている。
「IPで稼ぐことは、ゲーム販売とは全く異なる」と任天堂株を保有する国内資産運用会社に勤めるファンドマネジャーは指摘。9月に販売予定する腕時計型の周辺機器「ポケモンGOプラス」について、「ポケモンGOで遊んでいるのは実際には大人が多い。大人がポケモンGOプラスのような腕時計をするのだろうか」と疑問を呈した。
(山崎牧子記者、Tim Kelly記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)