書店という文化インフラが、この20年余りで半減した
4x6-iStock.
<90年代以降の四半世紀で、街中の書店の店舗数は全国でおおむね半減した。これに伴い国民の読書実施率も下がっている。思いがけない本にも出会える街の書店を、時代遅れの遺物にしてしまって良いのか>
ネット書店の台頭によって、街の書店は苦境に立たされている。
総務省『経済センサス』の産業小分類統計によると、書籍・文房具小売り事業所(書店・文具店)の数は、1991年には全国で7万6915あったが、2014年には3万7817に半減している。人口10万人あたりの店舗数も、62.0から29.8に半減した。
地域別の変化もみてみよう。この期間にかけて、人口10万人あたりの店舗数が各都道府県でどう変わったかを示すと<図1>のようになる。
【参考記事】「世界最大の書店」がなくなる日
この四半世紀にかけて、全国的に街の書店が淘汰されているのがよく分かる。まるで、文化の「生き血」が抜かれているかのような変化だ。
2014年の地図はほぼ真っ白で、どの県が相対的に高いのかは不明だが、おおむね都市よりも地方で値は高い。都市部では小さな個人経営の店が淘汰され、大規模店が幅を利かせているためだろう。売り場面積で見たら違った様相になるかもしれないが、ここまで書店の数が減っていることには驚かされる。