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トルコトルコのエルドアン政権が死刑復活ならEU加盟できず、ドイツがクーデター処罰でけん制
7月18日、ドイツ政府の報道官は、トルコが死刑制度を復活させるならばEUには加盟できないとの認識を示した。写真は、トルコ国旗を掲げて政府を支持する人たちによるデモ。イスタンブールで撮影(2016年 ロイター/Alkis Konstantinidis)
ドイツ政府のザイベルト報道官は18日、トルコが死刑制度を復活させるならば欧州連合(EU)には加盟できないとの認識を示した。トルコのエルドアン大統領が、同国で起きたクーデター未遂に関連して死刑復活の可能性に言及したことに対して述べた。
ドイツはエルドアン政権に対し、法律に基づいて事件の捜査や訴追に当たるよう要請。何千人もの裁判官を拘束した政権の判断に疑問を呈した。
報道官は記者会見で「ドイツやEU加盟国は明確な立場をとっている。それは死刑を断固として拒否するということだ」と述べた。
「死刑制度がある国はEUの加盟国にはなれない。トルコが死刑制度を導入すれば、加盟交渉は終わる」と加えた。
トルコは2004年に死刑制度を廃止したことで、翌年にEU加盟交渉を開始した。しかし、交渉にはそれ以降あまり進展がない。
政権を支持する抗議者らが、クーデター未遂の首謀者らの処刑を求める中、エルドアン大統領は17日、死刑復活について野党と協議すると述べた。
クーデター未遂が起きる前から多くのEU加盟国は、大半がイスラム教の大国であるトルコを加入させることに前向きでなかった。トルコの基本的な人権への対応もここ数年で後退しているとの懸念が上がっている。
トルコ政府は17日、クーデターに関わったとされる者への取り締まりを拡大し、軍部や法曹界などの6000人を拘束した。
ドイツ当局は今回の事件について、あくまでも軍の一部が政権を掌握しようとしたものであり、それを超える陰謀があった証拠は一切ないとしている。
エルドアン政権は、かつてのエルドアン首相の盟友で米国を拠点にするイスラム教指導者、ギュレン師をクーデター未遂の黒幕として糾弾している。