悪臭放つアフリカ連合(AU)も解体せよ
道路1マイルも作らず
2003年、当時AU議長だった南アフリカのターボ・ムベキ大統領は、NEPADは失敗の危険に直面していると認めた。大半のアフリカ諸国には、大規模の投資を効率的に活用する能力がなかったからだ。3年後、NEPADは死の床にあった。投資はほとんど実行されなかった。当時セネガルの大統領でNEPADの生みの親の一人であるアブドゥライ・ワッドは2006年の記者会見で言った。「NEPADはわずか1マイルの道路も作らなかった」
アフリカは盲目的に西側をまねするのをやめ、自らの伝統や遺産をモデルにするべきだ。アフリカは優れた統治の歴史がある。緩やかな連合、長の下での合意に基づいた参加型民主主義、自由な市場......。すべてのアフリカ帝国は、マリ、ガーナ、ジンバブエ、かつてのゾンガイ帝国(今の西サハラ)などもそうだが、権限の移譲と権力分散による連合体になっていた。同様に市場も植民地時代以前のアフリカではどこにでもあったし、価格も管制ではなく取引によって決まった。
中央集権化して誰も言うことをきかないAUのような組織の代わりに、上から選択肢を押しつけるのではなく各国が互いに利害を調整する緩やかな連合体が必要だ。こうした連合体は、厳しい加盟条件を課さなければならない。政治経済の決定や将来のビジョンを共有するには、共通の基盤が必要だ。最低でも、各メンバーは民主主義国でアフリカの遺産でもある自由市場、自由企業、自由貿易を旨としなければならない。
イギリスのEU離脱はEUの終わりを早めたかもしれないが、アフリカはこれを新たな始まりと見るべきだ。AUは、外国製の制度がアフリカには合わないことを証明した。幸い、よりよいモデルはアフリカ自身の裏庭に見つけることができる。